強い「生命力」をつけよう



 私は高校生の時、「天界君」というあだ名で呼ばれていました。理由は、「いつもニコニコしていて、何があっても微動だにしなかった?」からなのだそうです。それは、まったくビックリです。微動だにしないどころか、何かある毎に心の中では大きく動揺していたからです。ただ、通常、ぼ~としていたので、それが外に出ていなかっただけなのです。

 しかし、その時、何があっても悠々としているように見られることは、とても得することに気付きました。自然と一目置かれ、高く評価されるのです。

「あいつは大したものだ! いつも堂々としている。大物になるに違いない!」と。

 大勘違いでしたが、お陰で絶えず周りの人から様々なことを相談されるようになりました。人助けは好きでしたので、色々な人から相談を受けても結構エンジョイしてました。

「こんなバカな僕でも役に立つこともあるんだ!」と。

相談をされると、そんな風に良い方に良い方に受け取り、一人盛り上がっていました。


ところで、なんで私が「何があっても微動だにしなかったように見られたか?」です。原因として思い当たることがあります。それは、小さい頃、母によく言われたことです。

「直太は男なんだから、何があっても堂々としている振りをしていなさい! 坂本竜馬や西郷隆盛のように、『武士は食わねど高楊枝』(ご飯を食べていないのでお腹が空いているのに、長い楊枝を口にくわえ、いかにも満腹であるかの如く振舞うこと)の精神で、武士の如く痩せ我慢して生きなさい! そしたら将来大成できるから」

この言葉が、無意識で頭の中にいつも残っており、自然と行動に出るようです。

「生命力」って聞いたことがありますか? 

字の通り、「生命の力」を意味します。人間には生命が宿っており、それが感情や精神に大きく影響を及ぼします。生命力がつけば、他人に対して激励できる心の余裕が出てきます。

ですから、気が付いたら、周りの人から慕われ、高く評価され、結果的にどんどん出世していくのです。

大人になってわかったのですが、母が言っていたのは、究極的には「生命力」を高めることだったのです。20年間以上日米アジアで様々な方とお会いして言えることは、本物の成功者は皆、強い生命力を維持できる人なのです。