定期的な「ノミニケーション」を
「さっき、太田部長から、今夜飲みに行こうって、誘われちゃいました!」
「それで、どうしたの? まさか断ったわけじゃないでしょう?」
「勿論断わりましたけど? だって先輩と今夜カラオケに行く約束じゃないですか!」
「バカだなあ! 太田部長が飲みに誘ってくれることなんてまずないんだぞ! そもそも彼はお酒そんなに飲めないし。俺だって誘ってもらいたけど、一度しかないんだ! それも大勢で。おそらく仕事のことで大事な話があるんだよ。それに君以外誰か行くの?」
「いや、私だけのようです。じゃあ、本当に大事な仕事上のことですかねえ?」
「バカだなあ……君は何年うちの会社で働いているんだ! 太田部長は、めちゃくちゃやり手で出世頭だぞ! 仕事以外のこと話さない人だよ。うちの役員は、社長が「超」ワンマンだから、誰も何も言えないけど、彼はしょっちゅう社長に直談判しているんだよ! 社長も一目置いている。皆大田部長を将来の社長だと思っている。噂だけど、彼は今直接社長から、社内改革のために若手社員を集めて社内改革案を作っているらしよ」
「え! そうなんですか! そんな大事なことを……じゃあ、すぐに行きます」
「あたりまえだよ! 君は人間関係作りが下手だからなあ……普段から『ノミニケーション』しないし……そのうち全上司から相手にされなくなるぞ。協調性がないって!」
「わかりました。これから極力『ノミニケーション』にも行くよう努力をします」
最近、若手社員の間では、「ノミニケーション」を軽視する言動が目立ちます。私も20年近く米国にいましたので、米国式で日中に職場ですべてのコミュニケーションがとれ、良好な人間関係ができれば、仕事が終わってから、わざわざ食事やお酒を飲みながら、仕事の話をする必要はないのです。
しかし、現実的には難しい。日中は仕事を全力でこなさなければならないので、しっかりお互いが心行くまで対話している時間はありません。そんなことしていれば、却って周りの人やお客様に迷惑がかかります。
米国でも出世頭であった私のアメリカ人上司は、忙しい中、定期的に飲みに連れて行ってくれました。実は米国でも、人間関係マネジメントのプロは、「ノミニュケーション」の達人なのです。これはユニバーサル・ルールなのでしょう。