悪い習性はすぐ止める



 その人が人間として伸びるかどうかを判断する一つの目安があります。それは、その人が悪い習性に気がついた時に、すぐに止められるかどうかです。

悪い習性とは色々あります。例えば、タバコを異常なほど吸う、酒を飲み過ぎる、遅刻をし過ぎる、嘘をよくつく、病気なくらい太り過ぎる、体調崩すくらいよく夜更かしする、食生活が不規則、いつも食べ過ぎる、甘いものばかり食べるなど、例を挙げれば切りがありません。

自分でよくないと判断したら、すぐ努力して止められるかどうかで、その人のその後の人生を大きく左右します。

人間ですから悪い習性はすべて止めるということではなく、自身が止めるべきだと決めた時に、本当に止められるかどうかです。止めなければとわかりつつ、自身に負け、だらだら続けてしまうことは、楽しくないでしょうし、第一自分に対する自信がなくなります。

言い換えれば、どれだけ自己管理ができるかということでもあります。

米国では、「自己管理のできない人は、管理職にしない」というのが原則です。「自己の管理のできない人が、どうして他人の管理ができようか」という論理です。

 世の中、勝ち組と負け組といるわけですが、結局その差は、悪い自分の習性を変えると決めた時、本当に変えられるかどうかにあると思います。もっと言うと、人生において成功する人とできない人との差はその点だと痛感します。悪いことだとわかったわけですから、あたりまえである「止める」をすぐに実行することです。

「そうは言っても、これは自分が昔からずっとしてきたことだから……」「理屈言われても好きだから止められません」などと言い訳をするようでは、人間としての成長を自ら棄権したのも同然ですそんなに自分に甘い人は、成功などあり得ません。人生そんなに甘くないのです。多くの人は一生懸命自己の弱さに挑戦しています。

人間はやった分だけ理解できますし、成長もできます。悪い習性を止めるという自らへの挑戦もしないで、人の評論や非難ばかりしている傍観者は、人間として伸びないどころか、組織の邪魔な存在として扱われます。

組織から外されることは時間の問題となるでしょう。ぜひ、自身の悪い習性を止めることで、弱き自己との戦いをしましょう!