「人間教育の本質」は「生涯教育」



「え! そんなことも知らないの? 家庭や大学で何教わってきたんだよ?」

「幼稚園生じゃあるまいし、なんでオレがそこまで教えなきゃならないんだよ?」

「そんなの社会の常識だよ! ずうたいばかりでかくなりやがって、今まで何考えて生きてきたんだよ!」

「バカじゃないの! そんなこと小学校に行ってるうちの息子でも知ってるよ!」

「何回同じこと言われたらわかるんだよ! 少しは頭使えよ! お前は学習ということができないのか?」

 最近たまたま出会わせて耳に入った、上司が部下に叱っていた言葉です。彼らは叱った後ガックリきます。思いっきり叱ったからではありません。あまりに非常識かつ子供じみているため、ショックで次の言葉を失います。でも次に言いたい言葉は想像がつきます。

「いったいどこまで教育すればいいんだ? うちは家庭でも学校でもないぞ! なんで社会の常識くらいうちに来る前に学んで来なかったんだ!」といった感じでしょう。


 経営コンサルタントという職業柄、よく会社や組織から新人の教育や研修を頼まれます。その時、よく言われるのが、「うちで教えるのはもう限界です。基礎中の基礎を徹底的に叩き込んで下さい。とにかくレベルが低いのには驚かれると思いますが……」

 ただ、そのレベルの低い人達を採用したのはその会社や組織です。ギブアップするにはもう遅いのです。既に先行投資してしまっているのですから。そう聞くと、私も相当気合いを入れて研修に望みます。「参加者は皆、ただでは帰さんぞ!」と。


 残念ながら、現代の家庭教育や学校教育では、道徳的なことや社会の常識など教えなくなりました。生徒や子供が怖いのか、自分に自信がないなかで、先生も親も昔ほどスキンシップをしませんし、愛のムチで殴ったりもできなくなりました。その分、社会人になって会社や組織での教育の負担が急増しています。

人間が集まる所はすべて教育の場です。教育に限界はありません。会社でも組織でも妥協なく容赦なく徹底的に教育するしか、人材育成の近道はありません。それこそ、「人間教育の本質」である「生涯教育」なのです。