一流に接する
「ネイト(私のニックネーム)、一流になるためにするべきことは何だと思う?」
私が始めたNPOの祝賀パーティーで、理事に就任頂いたばかりのピーター・ドラッカー博士は、聞いてきました。困った私は、お茶を濁しました。
「うーん、一流になるための努力をし続けることでしょうか」
ドラッカー博士は即座に言いました。
「それも当たってると思う。しかし、私がお付き合いしてきた一流の人々からわかったのだが、彼らは若いときからできるだけ一流の人や一流のものに接するようにしてきんだ。それで一流が具体的にどの程度かわかるようになる。そのレベルを目指して努力するのと、具体的な目標が見えないで努力するのとは、大きな違いだからね」
「なるほど、私がダメなのは、一流の人やものに接してこなかったこともありますかねえ?」
「ネイトがダメな人間かどうかはわからないが、一流に接しないのは、もったいないことだね。そのちょっとした努力を怠ったために、伸びるチャンスを逃してしまうんだから」
後になって知ったのですが、ドラッカー博士は、大学を出てからしばらく新聞記者をされていました。そのとき、仕事を通じて様々な一流の人と出会って、彼らのように一つのことを究めて一流になろうと、感化されたそうです。
ドラッカー博士は、教えてくれました。
「一流の人やものには、オーラがある。それは、長年の並々ならぬ努力と工夫の結晶です。だからとても深みと重みがある。人間としても輝いています。一流の人は一つのことをマスターした達人ですから。ネイトも成功したかったら、一流の条件である、一つのことをやりきることだね。達人と呼ばれるくらい」
ドラッカー博士のお蔭で、そのときから私も達人を目指し、国際経営コンサルタントとして道を究める決意と努力を始めたのです。