バカな上司からも学べる



 自分の上司をバカだと思った瞬間、あなたは負け組になります。なぜなら、上司をバカにするということは、世の中や組織をバカにすることだからです。そうしたら、上司を含め周りの人はあなたのことをよく評価しません。おそらく、あなたは傲慢な人間と見られるでしょう。

一度、傲慢な人間と見られたら、本音では軽蔑され無視されます。従って誰も、あなたを応援しようとは思いませんし、リーダーにもしたくもなくなります。

世の中のすべての現象にはそうなる理由、つまり原因があります。そのことを「原因結果の法則」で説明されています。

バカな上司を持つこと自体、その上司ではなく、あなたに問題があるのです。原因結果ですから。

第一、その上司はバカだとあなたが勝手に判断しているだけで、心ある人はそうは思っていないのです。

また、逆にあなたの上司はあなたを部下として自覚のない部下だと判断するでしょう。そうしたら、あなたは出世できなくなります。何も「出世するために、上司をバカにするな」と言っているのではありません。


私のアメリカ人元上司、ビル・ヒビット氏(KPMG経営メンバー)は我々部下によく忠告してくれました。

「どんな人にも長所はあり、他人より優れているところがある。だから、そこだけ学べばいい。相手をバカだと思った瞬間、相手から学ぶことでの成長のチャンスを自らが逃してしまう。それで一番損するのは自分自身だ」と。

私が最初に米国で勤めた、この大手国際会計・経営コンサルティング会社、KPMGでは、難関を突破して入社してきたアメリカ人俊英達が多くいました。彼らは米国を代表する一流大学出身で、いっしょに新入社員研修を受けて、私はその優秀さに溜息がでました。テストするといつも満点、話せば大統領の演説のように見事で、非の打ち所がないのです。

しかし、職場の配属が決まった後、新入社員一同で再度集まりました。その中で、優秀だと思っていた人ほど、上司をバカにするのです。その五年後再度、皆で集まりました。その時ヒビット氏が指摘していた「原因結果の法則」の厳しさを目の当たりにしました。上司をバカにしていたほぼ全員は、出世できないでいるか、会社から辞めさせられていたのです。まさに自業自得です。上司をバカにすることで、自ら学び伸びるチャンスを放棄していたのですから。