報酬とキャリア・アップ


 会社を辞める基準、辞めない基準として、報酬を一番に挙げる人がいます。特に若手に多いのには驚かされます。

 報酬で会社を辞める辞めないを決めるのは、かなり実績を残してからにした方がいいでしょう。

 若い頃は、まず実力をつけることに専念しなければなりません。でなければ、後になって慌てて努力しても、報酬には目もくれず、コツコツ努力していた人には、もう追いつけなくなっています。

 実力さえつけてしまえば、30代、40代、50代には、黙っていても報酬はどんどん上げてもらえるようになります。本物の能力アップ、つまり着実にキャリア・アップをしているからです。

国際競争力のあおりを受けて、実力主義、成果主義が急激に浸透しつつある日本でも、キャリアをきちっと積んでいけば、プロフェッショナルとしての評価も高まり、それに伴って報酬も上がっていくようになってきているのです。

また様々なところから、ヘッドハンティングがあり、引手はあまたとなるでしょう。


 一方、報酬に拘って自分を売ることばかりに考え、実力をつけることに全力を挙げてこなかった人は惨めです。最初のうちは、会社側の誤解や大目の評価もあって、高めの報酬をもらえていたとしても、実力のないことがすぐにバレますから、報酬は一挙に下げられてしまいます。ただ、報酬が下がる方はまだましで、クビを切られてしまうのが普通です。


「実力をつける努力を最優先せずして、報酬を追うものは仕事がなくなる」

 これは私の口癖でもあります。