何のために働くのか?

 特定の会社や組織で働き始める前に、必ず確認すべきことがあります。

 それは、何のためにこの会社・組織で働くのかという目的を明確にしておくことです。でなければ、働き始めたらすぐに葛藤を始めることになります。嫌になるでしょう。

 明確な目的があれば、多少嫌なことがあっても、行き詰っても、その目的のために、我慢して頑張り通そうとします。

 働く理由は色々あると思いますが、その会社や組織で働く具体的な目的を持っている人は強いです。その目的を達成するために、努力し続けるからです。


 私は大学を卒業して、国際会計・経営コンサルティング会社のニューヨーク本社に就職しました。そのとき、「10年後に同業で独立する!」という夢であり目標を持っていました。

しかし、働き始めてすぐ、それが叶わぬ夢であることに気付かされ、愕然としました。

あまりにも仕事ができないため、「もうダメだ! 辞めるしかない」と思ったことは数え切れなくくらいありました。でも、勤め続けました。

 なぜ、続けられたのか。

 それは、どうしても将来同業で独立したかったからです。そのためには、独立できるくらいの力がつくまで、何が何でもその会社にかじりつかなければなりません。

 ですから、クビになるまでい続けることにしました。どんなにバカにされようと、どんなに邪魔扱いされようと。

結局、ヘッドハントされるまでの8年間、その会社で踏ん張ることができました。

今振り返っても、「国際経営コンサルタントとして独立!」という具体的な目標がなければ、どの会社でも長続きしなかっただろうと痛感します。


 何のために働くのかを明確にすれば、仕事や職場で強くなれます。仕事内容や職場環境にほとんど左右されなくなります。目が将来を向くからです。今辛抱すれば、将来やりたいことができるという夢と希望があるからです。


私は人生にとって働くことは最も大切なことの一つだと思っています。なぜなら、平均的には、一日24時間あるうち、1/3の8時間を睡眠に、1/3の8時間をプライベートなことに、そして残った1/3の8時間を働くことに費やしているのですから。

つまり、普通、個人的な差はあれ、食事、睡眠、あとプライベートな時間以外は、ほとんど働いていることになるのです。

そしたら、「働くことの意義がわからない」となると、悲しいことではありませんか? やはりなんと言っても、人間にとって働くことは、楽しくて生きがいにならないと、毎日が辛くなってくると思います。

特に今の仕事が厭であれば、悲劇です。例え嫌いなことでも、将来に繋がることであれば、やりがい生きがいが出てくるはずです。


まず、しなければならないのは、将来どうしたいのか、どうなりたいのか、どんな仕事をしたいのかを考えることです。つまり将来自分がしたい仕事を明確にするのです。

しかし、自分が将来何をしたいのかがわかれば皆さん苦労しないですよね! ほとんどの人が、それがわからないので悩み葛藤しています。だからと言って待っていても、見つかりません。とにかく行動を起さなければ何も始まらないのです。

お薦めしたいのは、とりあえず自分の好きなこと、やりたいことを考え、その分野の仕事を始めてみることです。更にどんどん好きになって気が付いたら、毎日楽しく仕事ができるようになっています。そして、その道のプロになっていることでしょう。

「好きだ!」「やりたい」と思ってやってみても、実際に好きになれないこともあります。それは勘違いだったのでしょう。

その場合、中途半端にやっているために好きになれないことが多いので、とことんやってみたら如何でしょう。徹底的にやってみて、やはり好きになれない、もしくは、やりがいを感じないのであれば、新たに違う、好きになれそうな、また、やってみたい仕事を探して、再度やってみるのです。

また、何が好きなのか、今何をしたいのかがわからない人は、逆転の発想で、何が嫌いなのか、したくないことは何か、を明確にして、それら以外のことをまず始めてみればいいのです。


 働くことの意義は、仕事を通じて自己実現をすることで、幸せ感を味合うことではないでしょうか。そうでなければ、長続きしないと思うのです。