人に相談するときは、タイミングを見計らおう



「相談はあなたの一方的なお願い事であることを忘れてはならない。人の大切な時間を奪う行為であるから、相手が不都合にならないタイミングで」



 小さい頃、あまりにも人に相談しなかったため、失敗し続けました。

 ですから、相談することの大切さがわかってから、逆に周りの人達に相談しまくりました。それも、思いついたらすぐに、です。

 最初の頃は、そんな失礼なことをしていても、若いからということで許されていたようです。しかし、新入社員時代、あまりに上司や先輩に相談する度が過ぎたため、ある先輩から突然怒鳴られました。


「浜口、いい加減にしろよ。何でもかんでもお前の都合ですぐに人に相談するな! 皆お前と比べものにならないくらい忙しいのに、新人でかわいそうだから、相談に乗ってやっているんだぞ! なのに、お前はどんどん調子に乗って、大したことでもないのに、次々と相談事を持ってくる。皆がどれだけお前のそんな軽々しい態度に迷惑しているのか、知っているのか! 社会人なんだから、もう少し考えてみたらどうだ。お前だって、忙しいのに頻繁に相談されたら嫌だろ。とにかく、お前は軽々し過ぎる。我々はお前のお守り役じゃあないんだからな、バカたれ!」


 普段はとても優しい先輩でした。そんな彼が顔を真っ赤にして叫んだのです。そこまで切れるとは…。よほど私に迷惑して怒っていたのでしょう。

 その言葉を聞いて私はハッとし、大反省しました。上司や先輩には敬意を払っていたつもりでした。

しかし、実際にやっていることは、彼らに対して相当無礼なことをしていたのです。時間に追われる仕事をしている我々プロフェッショナルにとって、まさに「タイム・イズ・マネー」であるのに。その先輩が指摘したように、自分がやられたら嫌なことを上司と先輩にやり続けていたのです。


 上司が入社時に、「わからないこと、困ったこと、また悩むことなどあったら、何でも上司や先輩に相談しなさい」と優しく言ってくれたことをよいことに、甘えていました。

いつまで発っても学生気分で、忙しい上司や先輩を、タイミングを考えず捕まえては、こちらの都合で相談しまくっていたのです。

 そんな嫌な部下はそうないないでしょう!

 今から振り返って見ると、そのような失礼な部下でしたから、皆私から距離を置いていたようです。できるだけ、相談されないようにと。


 独立して自分が社長になってからは、いかに私が昔失礼なことを上司と先輩にやり続けていたかを日々痛感します。

 と言うのは、今私が同じようなことをされているからです。

社会人として常識のない社員は、人に相談するタイミングを考えません。ですから、仕事や執筆の締め切り直前に、いつでもいいような相談をしてきます。

 相談されること自体は、信頼されていることでもあるので、上司としては有り難いし嬉しいものです。ただし、不都合な時でなければ、です。


 不都合な時に、相談されると、何とかしてあげたいと思えば思うほど、ストレスが溜まります。

「何でこんなタイミングで相談してくるの? 少しは聞くタイミングを考えてほしいなあ。頼むよ!」と叫びたくなるのです。

 でも、そんなことはできません。せっかく相談してくれたのですから。

「バカやろうー、俺も生身の人間だ! 忙しい時にややこしい話されても、頭が混乱してやっていることまで間違えるだろう。こっちの都合も考えろよ!」などと万が一言おうものなら、彼らはもう二度と相談してくれなくなるでしょう。

最悪の場合、それがきっかけで、会社を辞めていく社員も出てくるでしょう。

 ですから、ひたすら我慢の子を通すのです。

しかし、忙しい時に、相談されると涙が出そうになります。

「なんで上司虐めするの? 君が同じことされたら嫌でしょ! それくらい気づいてよ!」って。