先ず自分で目標・戦略・計画を考え、先輩や上司に相談しよう



「成功する人は、まず自分で具体的な目標を決め、それを達成するための戦略と計画を立てる人。そして、謙虚に先輩や上司から指導を受ける人」



 私は、小学1年生の時から高校を卒業するまで、競泳選手をしていました。自分なりに一生懸命やったつもりでしたが、全然結果が出ませんでした。それも悲しいくらいに。

 当時、なぜ結果がでなかったのか、まったく理解できませんでした。

特に人一倍練習していたのにダメだったのです。すべてをかけていた競泳でしたので、その後何をするのにも自信がなくなりました。

人生の上で様々なことを経験してきた今なら、なぜダメだったかわかるようになりました。

一言で言えば、まず自分で具体的な目標を決めなかったこと。そして、その目標を達成するために、いい戦略や計画を立てなかったこと。更に、謙虚にコーチに相談しなかったことからです。


私のコーチは、アテネオリンピック(平泳ぎ)金メダリストの北島康介選手など数々のオリンピック代表選手を育て上げた実力者でした。また、オリンピック強化コーチでもあったのです。

そんな素晴らしい人をコーチに得ながら、なぜだか素直に相談したり、指導を受けなかったのでした。

コーチはいつも言っていました。

「目標や練習計画は、自ら考えろ! 人から与えられているうちは、命懸けになれない。また、与えられたと思った瞬間、自分の目標や計画ではなくなるから、真剣味がなくなる! 自分で悩み苦しみ葛藤しながら考え出すから深い意義があるのだ!」

 また、彼は頻繁に言いました。

「目標を決めたら、それを達成するための戦略と計画が必要だ。正しい戦略と計画がなければ、目標は『絵に描いた餅』となる。だから、勝つためには、自分なりの戦略と計画をしっかり立てなければダメだ。わからなければいつでも相談に来い!」と。


 そう言われながらも、当事者である私は、なかなか具体的な目標も計画も立てられないでいました。理由は、何が一番正しい目標であり、戦略・計画であるか、本当にわからなかったのです。

 一番の間違いは、いつもわからないまま、曖昧に終らせていたことです。あの時、なぜ自分から素直にコーチに指導を仰がなかったのだろうかと、今でも思い出す度に後悔しています。

 ただ、言えることは、あの頃の私は、子供の癖に、意地っ張りで傲慢だったのです。

たとえコーチでも、相談しに行って、ケチョンケチョンに言われて、プライドを傷つけられたくなかったのです。

ティーンエイジャーの分際で、本当に生意気で素直でなかったのですね。伸びなかったのも無理ありません。


 そう言えば、昔「経営の神様」である松下電器産業の創業者、松下幸之助氏に初めてお会いした際、言われた言葉を思い出します。

「人間いくつになっても素直な心でいることや。そやなければ伸びへんわ……」と。

 素直でなかったばかりに、随分と遠回りと損してきたことを痛感できる今なら、この言葉の重みをよく理解できます。

 もう少し早く気づいていれば、もっともっと成長でき、成果も出せたことでしょう。大反省です。

 ただ、松下氏は、人生において、何をするにも遅すぎるということはないとも言われていました。

ですから、今度は彼の言葉に素直に従って、これからでも、自分で正しい目標・戦略・計画を考え、人生の先輩に相談し、指導を受けていこうと思います。