難問を投げ掛けられたら、どこまで対応できるか誠実に対処しよう
「難問こそ成長の糧であり、成功のために乗り越えていかなければならないハードルだ。だから積極的にどんどん難問に挑戦し、成長していこう。人生の勝利のために」
その人が将来伸びるかどうかを判断するのにいい基準があります。
それは、難問が出てきたときの反応を見るのです。
難問を投げ掛けられたら、逃げる人がいます。この人は将来伸びません。伸びるどころか、問題が起こる度に逃げ続けるわけですから、卑怯な人になっていくでしょう。
一方、難問が出てきても引かずに真っ向から対応する人は、将来成長し大物になります。なぜなら、大きな夢や目標を持ち、それらを真剣に目指して達成させようとすれば、毎日難問だらけになるからです。
我々は忘れてはいけないと思います。人生山あり谷ありで、生きること自体が難問であることを。
成功するためには、難問だらけの人生を乗り切らなければならないのです。問題から逃げたら、現実逃避となり、成功から遠のいていきます。
ですから難問が出てきたら、歓迎するくらいの覚悟を決めて対応していきたいものです。
ある中堅企業の社長が、業績が急上昇したこともあり、ヘッドハンターを使って、沢山の優秀な人材を経営幹部として高給で雇い入れました。
いずれも経験20年以上で即戦力になるやり手です。
ということで、彼らの口癖は頼もしいものでした。
「社長、任せて下さい! この会社にどんなことがあろうとも、最後の最後まで社長に付いていきますから」「会社がいざとなったら、命懸けでお守りします」……。
数年経って、会社の業績が急落し始めました。売上はどんどん落ち、大幅な赤字続きで業績の悪化は止まりません。まさに存続の危機に面してしまいました。
遂に大リストラまで強行せざるを得なくなり、社員の給料もどんどん下がっていきました。人によっては半額以下になった人もいます。
悪いときには悪いことが起こるものです。ダメ押しで、財務的に危惧した複数の取引先や顧客から、訴えられてしまいました。四面楚歌状態です。
するとそれまで勇敢に振舞っていた人材達が、「こんな会社元々ダメだったんだ!」と態度を一変して、次々と会社から去っていったのでした。
高給で採用されたほとんどの幹部が辞めた後、元々いた幹部の一人Aさんが言いました。
「こんなに誠実な社長と真面目な社員が必死になって会社を守ろうとしているのに、再建が難問中の難問だからといって、逃げ出すわけにはいきません。皆で一致団結して最後まで諦めず、頑張り抜きましょう! 私はたとえ社長一人になっても会社を守ります!」
その言葉は、獅子が吼える如く勇敢でありながら誠実さをも表していました。そして、残った社員達に感動とやる気を起こさせたのでした。
Aさんの勇気ある発言で、残った社員は、勇気づけられ、見事に一致団結して社長を助け奇跡の如く、会社を蘇らせたのでした。
全訴訟の勝利が確定し、会社の業績も過去最高を記録した年の忘年会のことです。
代表してスピーチしたAさんは、会社が潰れそうになったあの時を、大粒の涙をためながら感慨深くいいました。
「あの時は、正直言って本当にもうダメだと思いました。しかし、あそこで逃げたら私は、社長と会社を裏切ることになります。一生後悔し、難問がある度に同じように逃げ続けるに違いないと思ったのです。であるなら、最後の最後まで対応し、誠実に生き抜こうと決意したのです」
そのスピーチを涙ながらに聞いていた社長の仏様を見るようなAさんへの眼差しを私は一生忘れることができません。
スピーチを聞きながら、私も心の中で叫びました。