自分の成長が感じられないときは、去年の自分と比べてみよう



「比較すべき相手は他人ではない。自分自身だ。去年の自分より今年の自分、今年の自分より来年の自分と、少しずつでもいいから成長していこう」



 よく他人と比較して一喜一憂する人がいます。それは大いなる間違いです。

この世の中で、ほとんどの人にとって、自分よりできる人も自分よりできない人もいるはずだからです。

 自分よりできる人と比較すれば、焦り落ち込みます。それで自分を卑下したり、自己嫌悪に陥る人さえいます。

一方、自分よりできない人と比較すると、優越感に浸り、場合によっては、天狗になり、できない人をバカにします。

このように人に左右される人生でいいのでしょうか?

そんなことを続けていたら、余計なことで気を揉み苦しんだり、また調子に乗ったりします。「井の中の蛙」や「裸の王様」状態で、他人から見たら、「なんて愚かな人なんだろう! かわいそうに」と軽蔑されること間違いなしです。


 比較すべきは、他人とでなく、今の自分と去年の自分であり、来年の自分です。

 他人と比較しているうちは、一生不幸のままでいることでしょう。

「あ~あ~、Aさんはいいなあ、お金があって」とか「B君は、頭がよくていいなあ……」と。

 羨んでも、何も起こりません。出るのは溜息ばかりです。

 まず、今までの自分を全面的に受け入れることです。そして、どうしたら、これから一歩でも二歩でも成長できるかを絶えず考え悩み、どんなことでも、自分が成長できることなら、まず実行してみるべきです。

 その際、ぜひ推薦したいことがあります。


自分に対して「なぜ? なぜ?」攻撃をすることです。

「なぜ? なぜ?」攻撃とは、本来やらなければならないのに、できていないことや、やるべきではないのに、だらだらとやってしまっていることを、それまでのように曖昧にせず、「なぜ、できないのか?」とか、「なぜ、やっているのか?」を、徹底的に追求することです。

 たとえば、「仕事で同じミスや失敗ばかり繰り返している」場合での私の「なぜ? なぜ?」攻撃は、次のようになります。


 仕事で同じミスや失敗ばかり繰り返している


 なぜ?


 過去のミスや失敗から学べていない


 なぜ?


 ミスや失敗の原因・理由を明確化し対策を立てていない


 なぜ?


 時間的余裕がない


 なぜ?


 多くの仕事で日々追われている


 なぜ?


 時間管理ができていない


 なぜ?


 仕事を始める前に作業量を見積もり、作業計画を立てて実行していない


 これは、私の新入社員時代の状況でした。

このように、「なぜ? なぜ?」攻撃をすることで、私の「仕事で同じミスや失敗ばかり繰り返している」原因が、意外と違ったところにあることがわかりました。

つまり、「仕事を始める前に作業量を見積もり、作業計画を立てて実行していない」ことが一番の原因だったのです。

もっとわかりやすく言うと、計画性がないのです。ですから、反省作業やその時間帯を組み込んでいないのです。

いつも無計画で行き当たりばったりで仕事をし、その結果のレビューすらしていませんでした。ですから、ミスや失敗から学べるはずがなく、同じミスや失敗ばかりし続けていたのでした。

 私はそれを機に、その分野で工夫・努力し、毎年進化・成長することを決意して実践し続けてきました。それを何年か続けていった結果、自然に仕事で同じミスや失敗を繰り返すことが一切なくなったのです。

 できるようになった原動力は、前年の自分と比較することで、毎年少しでも私が成長していっているのがはっきりわかったからです。自分が成長していっていることがわかると、とても嬉しいもので、更に頑張る気にしてくれます。

 もし、私がこのことで他人と比較したら、逆にやる気をなくしていたことでしょう。