知らないことやわからないことに出会ったらまずメモしよう
「人間の記憶ほどいい加減なものはない。知らないことやわからないことならなおさらメモをしなければ、いつまで経っても知識は増えないからダメ人間から抜け出せない」
私は今両親に感謝しています。ダメ人間に生んでくれて。皮肉ではありません。
なぜなら、ダメだったため、人より努力しなければならなかったからです。そして、そのお陰で、成長できました。
前々からダメだとは思っていましたが、自身が本当にダメ人間として気がついた時、そんなダメでいやな自分と決裂することにしました。
特に、飛び抜けてダメだったのは、理解力と記憶力です。
ですから、知らないことだらけ、わからないことだらけ、理解できないことだらけ、覚えられないことだらけなのです。
でも、小さい頃は両親を恨みました。
「なんで僕だけが人と比べてこんなに勉強もスポーツもできないのだろう? なんでそんな子として生み育てたのだろう? 挙句の果てに我が家は貧乏だし……」と。
あの頃は、本当に他人が羨ましかったです。
しかし、尊敬するメンターと高校3年生の時に出会って、次の彼の言葉で救われました。
「すべては今の自分を100%受け入れることから始まるのです。欠点だらけの自分をまず愛するのです。そしたら、欠点のある他人も許せ、好きになることができます。『人間として一番身近な自分を愛せない人が、なんで他人を愛せるのか』です。結局、自分も他人も、欠点だらけの人間ですから。もし、欠点がまったくなければ、もう人間ではなく、神様か仏様です。人間は欠点やダメな部分があるから、人間味があって、却って魅力的になるのです。完璧な人をあなたは、好きになれますか? 人間味を感じますか? 私は、欠点だらけの人、ダメな人を見るたびに『あー、人間らしいなあ。だから応援したいなあ』と思うのです」
まず自分が欠点だらけの人間であることを認識し、そこからのスタートです。
私のメンターの指摘ではないですが、いいではないですか、欠点だらけで。人間なんですから。
私の場合、既に述べましたが、極端に理解力と暗記力が弱いため、とにかくメモ魔になりました。メモしないと、聞いた矢先からどんどん忘れていってしまうのです。
そうなると聞いていないも同然です。後に残らないのですから。
特に、知らないことやわからないことに出会ったら、できるだけ正確にメモをとりまくります。そうでなければ、そのことを後で調べられませんから、何のことだったかわからずじまいになってしまいます。
メモさえとっておけば、すぐに調べて理解し、新しい知識として残ります。これによって、知識はどんどん増えていきます。
昔、うちの会社で、何回も同じミスや失敗を繰り返す新入社員がおりました。それも立て続けに、です。
周りの先輩や上司は、何度も彼にもう同じミスや失敗をしないよう何度も何度も注意するのですが、彼は繰り返し続けたのです。
なんでそうなのかずっと彼の行動を見ていたらわかったのです。
頭も記憶力のいい彼は、どんな時もメモをとらないのでした。
私は不思議に思い、彼に聞きました。
「なんで、大事なことを話しているのに、メモをとらないの?」
「メモをとると、書くことに集中して、大事な話の理解度が落ちるからです」
「でも、メモとらないと、せっかく理解したことでも、忘れるじゃない?」
「忘れないように、一生懸命聞いて暗記しようとしています」
「それで、忘れないで実行に移せてるの?」
「はい」
「君は謙虚じゃないね! 現に言ったことをしないので、ミスや失敗ばかりしていることから先輩や上司は困っているんだよ! 彼らに迷惑をかけまくっているじゃない」
「そうでしょうか?」
「そんなこともわからなかったの? じゃあ、先輩や上司に聞いてみたらいいよ。彼らから、私に『なんとか、彼に厳しく言って下さい』って、困り果てた君の先輩や上司から、頼まれているんだよ。皆に迷惑かけていることわかってるの?」
「自分なりには一生懸命やっているのですが……」
「君は自覚していないかも知れないけど、頭が良いことをいいことに、謙虚でなくなっていると思うよ。第一人が話をしている時、皆真剣にメモをしているのだから、どんなに頭がよくても、君もメモぐらいとったら。とらないというのは、手を抜いているとみられてもしょうがなくない? 現実にメモとらなかったために忘れて実行していないのだから、素直にメモをとった方がいいんじゃない? 職場は、単に仕事をする所ではありません。人間として修行する一種の道場です。言われたことができないような素直でない人は、我が道場にはいりませんから、他に行って下さい!」
「すみません。これから、メモするようにします」
それからです。彼の仕事のミスや失敗が急激に減ったのは。彼の先輩や上司は、私にとても感謝してくれました。
私は私で彼らに感謝しました。私にとっても、反省すべき機会となったからなのです。
その頃の私は、社長として人に指示するばかりで、部下の話をメモすることの大切さを忘れかけていた時でもありましたから。