歳に関係なく学校に行く
「夜や週末を利用して学校に通った方がいいでしょうか」という質問を、社会人から受けます。私の回答は「そうすることで勉強できると確信するのでしたら、ぜひそうされたら如何でしょう」と、いつも同じです。
学校に行って知識を増やすことは二の次で、ポイントはそうすることで本当に勉強できるようになるかどうかです。
学校といっても色々あります。弁護士・公認会計士・中小企業診断士等の有資格者になることを目指す専門学校や法科大学院(ロー・スクール)、経営管理のプロになる目的で経営管理学修士号(MBA)を得るために行く経営大学院(ビジネス・スクール)等々。かなり多岐に渡って、学校があるのです。
大手国際会計・経営コンサルティング会社の米国本社に就職してから、コミュニケーション能力、特に英語力やプレゼン能力、そして経営分野の専門能力のなさに日々の仕事を通して、私は苛まされました。「国際経営コンサルタント」として実力をつけて独立することを目指していましたので、「とにかく勉強しなければ、力をつけなければ!」との危機感を募らせていったのです。
それで渡米以来の夢でもあり目標だったビジネス・スクールの修士・博士課程で、働きながら勉強させて頂くことにしました。でも、そもそも頭が極端に悪かったので、まともに受験していたら、どこのビジネス・スクールも絶対に入れないという変な自信がありました。ですので、合格審査委員会承認を頂きましたから不正ではありませんでしたが、テキサス経営大学院の学部長に頼み込んで、ほとんど裏口入学に近い状態で入れて頂きました。
ただ、最初の一学期間、受講した全科目で平均点以上をとるということが条件となっていましたので、所謂「条件付入学許可」をもらったのです。
そのお陰で、私は必死に勉強し、自分にもこんなに勉強する意欲があるのかと思うくらい「火事場の馬鹿力」を発揮し、徹底して勉強しました。その結果、なんとか全科目で平均点以上とり、そのまま修士課程を終えることができ、その勢いでついでに博士課程まで進むことができたのです。
お伝えしたかったことは、私は怠惰な人間ですので、何もしなければ、言い換えれば、自分を追い込まなければ勉強しないのです。従って、「国際経営コンサルタント」として米国で独立するなどという夢のまた夢に近づくためには、無理矢理勉強しなければならない環境を作ることが必須でした。
そのために学校、具体的にはビジネス・スクールというツールは凡人の私にとっては、助け舟だったのです。もし、あの頃、ビジネス・スクールに通っていなければ、あれだけ勉強し、またプロとして力をつけられただろうかと思うのです。
英語力のない外国人である私が忙しい仕事と格闘しながら、夜ビジネス・スクールで7年間学べたことは、知識や経験を得た以上に大きな自信となりました。
ですから、もし学校に行くチャンスがあるのでした、ぜひ挑戦して頂きたいと思っています。
私の好きな言葉に「学は光」と「学ばざるは卑し」があります。