講師になったつもりでセミナーに行く


 私は時間ができると、今でもセミナー、講演会、異業種交流会、勉強会、研究会なる勉強の場に、参加しまくっています。

 2年前くらいから毎月本を一冊書いていますが、つい最近まで3ヶ月間毎週「ライター養成講座」に通っていました。講師の先生より多く本を出していたためか、先生が聞いてきました。

「浜口さん、あなたはもう何十冊も本を出しているんだから、今更『ライター養成講座』で勉強しなくても……」

 私は躊躇なく、即答しました。

「先生、それは違うのです。私は元々国語力、特に文章力がないのに、ラッキーにも本を出せてきました。でも、もっともっとレベルアップしないと、お金を出して私の本を買って下さる読者に失礼だと思うのです」

 また、同じようなことを、最近参加していた「話し方教室」でも言われました。

「毎週講演している浜口さんが、『話し方教室』に出ても、あまり参考にならないのでは……」

 とのコメントに、自信を持って返答しました。

「その逆で、講師ばかりやっているため、ついつい話す基本を忘れがちなのです。また、話し方は奥深いので、どんな講師またどんな『話し方教室』からも学べることは沢山あります」


 これは私の本心です。プロである以上、絶えず能力を高める努力をしなければならないと思っています。

 米国メジャー・リーガーとなったイチロー選手が、今まではよくヒットを打ってきたからといって、毎日のバットの素振り練習や体力トレーニングをしなくなったらどうでしょう? 私は打率を含め総合的な成績は急激に落ちると思います。プロだからといって基本練習を怠れば、レベルが落ちるのです。逆にプロだからこそ、基本の練習をアマチュア以上にしなければ高いレベルを維持できないのです。


 セミナーなどに出た帰り際に、次のようなコメントを参加者から時々耳にします。

「今日の講師は話が下手だったよね。何を言っているかわからなかったから、あまり勉強にならなかったね」

 私はそんなコメントを聞くと「とんでもない! 私はすごく勉強になりましたよ!」と心の中で叫んでいます。

 どんなセミナーや講演会でも、講師はそれなりに経験・知識のある人が選ばれているのです。確かに話し方が下手な人、話がわかりにくい人はいます。しかし、受講する側が一生懸命学ぼうとする気さえあれば、それなりに勉強になるものです。


 私は今まで30年近くの間で、何千回とセミナー、講演会、勉強会等に出続けてきましたが、勉強にならなかったものは、ただの一度としてありません。毎回参加する度に多くのことを学ばさせて頂いてきました。

 セミナー等に出て、勉強になるかどうかは、参加者の心がけ次第だと思います。一生懸命勉強する気さえあれば、必ずどんな会でもどんな講師からも学べます。講師は話す分野においては、自分より経験・知識・情報・人脈を持っているのですから。

 従って、セミナー等の講師を評論・批判する余裕やエネルギーがあるのなら、その分野においても講師以上の力をつける努力のために使った方が得策でしょう!

 私がセミナー等に参加する目的は、勿論その分野において知識を増すことは当然なのですが、参加後、同じテーマで講師の先生以上に話せるようになることです。ですので、毎回セミナーでは、一文一句聞き漏らすまいと必死です。わからないことがあれば、質問もどんどんします。