会食すれば相手が読める


 私に友人経営者は、短期間で相手がどんな人であるかを知らなければならないとき、その相手と必ず会食をします。特に、性格、能力、品格を判断するのに十分なんだそうです。

凡人の私は、そのことを聞いて不思議に思いました。

「人が飲み食いしているときの様子で、一体何がわかるのだろう? 人間なんてそう簡単にわかるもんじゃない。複雑怪奇だから。そんなでわかるんだったら、人の評価なんて苦労しないよ」と。

それで、私自身も同じように、人と会食をするときに、できるだけ注意して様子を伺うようにしたのです。

そしたらどうでしょう! 分かる分かる。特に相手の性格、能力、品格が、です。友人経営者が言った通りです。


 人は食べ方や食べるときの会話の仕方で、かなり本音を出すものです。そう言えば、前に心理学者が言っていました。人間の本性が最も現れるときというのは、殺される直前と欲望を満たそうとする瞬間なのだそうです。

 じっくり観察していると人によって本当に違います。

 人のことを考えないで食べる人。急いで食べる人。とにかく人に食べるのを勧める人。遠慮してなかなか食べない人。あまり美味しそうに食べない人。話に夢中になって全然食べない人。色々な音を立てて食べる人。会食しているのによく食べる人。黙って食べ続ける人等々。挙げれば本当にきりがありません。

普段私達は、会食するとき、会話することで忙しい上、相手を観察しながら食べていると失礼になるので、相手を分析しないで雰囲気を壊さない時間を過ごしています。

でも心ある人は違います。食べ方や振る舞いで、相手がどんな人なのかをしっかり掴んでいます。食べ物という欲求の先を目にした食べ方で、実にその人の人間性を表します。

 参考になる見方の一つは、食べ物を自分に置き換えて、相手が自分をどう扱うかを見てみるのです。理想は「丁寧に」「落ち着いて」「礼儀よく」「大切に」「楽しんで」食べてくれることです。

それこそが、相手が仕事の上でもあなたとやり取りする姿勢です。それを知って、私も会食では単なる食事会ではなく、相手に対する敬意を表す最高の機会であることに気づき、できるだけ相手を楽しませる食べ方や会話の仕方に努めるようになりました。