20年間も米国にいたのに、あまりノミニケーションの機会はありませんでした。それもそのはず、アメリカ人の場合、仕事上での問題は、昼食時やオフィスでの面談で解決できたため、わざわざお酒の力を借りる必要はなかったようです。
しかし、欧米化しつつあると言われる今の日本でも、日中に本音でじっくり話せる機会はなかなかありません。ですから、どうしても仕事の終わった後、食事をしたり、お酒を飲みながら、無礼講で本音の話をするのです。
プライベートの時間帯ですから、上下関係の遠慮は最低限とし、会社・職場・人間関係をよくすることへの議論をします。
最近ノミニケーションを嫌がる若者が増えているようです。無駄話をしているとしか思えないからです。それだったら、彼女・彼氏とデートするか、セミナーや学校にでも行ってスキルを磨いたり人脈を広げたりした方が、価値的という判断からでしょうか。
確かにその考え方もわからないではありません。
スキルや人脈のない先輩や上司と接していたら、会社や組織で将来性がある人達にはとても見えないでしょうし、同じことをしていれば「明日は我が身」と痛感させられるのではないでしょうか。
とは言え、今の職場で成果を出さなければ、どんなにスキルや人脈をつけても、評価されません。単に「頭でっかちで協調性に欠けた生意気な若造」と見られるだけです。
ですから、ノミニケーションと個人の能力アップの活動をバランスよくやることは、周りからの評価・信頼を得るためには必須です。
ノミニケーションでは、いつも問題になることがあります。先輩や上司達が、お酒に呑まれて、部下や女性社員にセクハラやパワハラ的な言動を繰り返してしまうのです。
ある会社の役員は、お酒大好き人間でした。飲み始めたらすぐにお酒に呑まれ、職場でまだ仕事をしている社員を呼び出すのです。
呼ばれた社員は、相手が役員なのでむげに断る訳にもいかず、嫌々ながらその役員達が飲んでいる酒場に顔を出します。
その役員はお酒に呑まれてもうコントロールが聞きません。男性社員を子分のように、命令しまくり、また女性社員にはクラブのホステス同様にセクハラ話を連発。
そんなことを繰り返しているうちに、彼とノミニケーションに行く人は徐々に減っていきました。酔った勢いで、会社の機密事項や問題点を社員にばらしまくるため、それが社長の耳にも入り、突然クビにされたのです。
これは極端なケースかもしれません。ただ、同じようなケースを私は幾つも知っています。
ノミニケーションは必要ですが、あくまでも前向きな話し合いをする場でなければ、やる意味がありません。この役員のように、やったことで却って問題が起きてしまいます。
酒に呑まれたり、羽目を外し過ぎたりして、セクハラやパワハラをするようになったら、そのノミニケーションはすぐに止めるべきでしょう。