場の空気が読めない人のことを、「KUKI」(空気)の頭文字「K」と「YOMENAI」(読めない)「Y」をとって、「KY」というのだそうですが、そのKYの多いのには驚かされます。様々な会社や組織に行って観察していると、圧倒的に若い人に多いのです。それも、比較的勉強のできるタイプに。
おそらく、偏差値教育や丸暗記主義で勉強してきたためか、こんなことを言ったら、相手がどう思うか等の応用ができないのです。
指摘してもまったくわからない人も多いのです。逆に「どうしてそんなことに目くじら立てて叱られなければならないの?」という具合に、不思議がる人がほとんどです。
本来なら、家庭や学校で教わっていなければならないことです。
ある日午前9時から午後5時までかかるセミナーに参加していました。ホテルの大部屋に長テーブルが30台ぐらいあったでしょうか。その一台にギリギリ3人が座れるほどの長さだったにもかかわらず、3人が座らされました。後ろを見たら、その長テーブルが20台ぐらい未使用のまま置かれているのです。部屋はまだまだスペースがあったので、その余っているテーブルを使えば、一つのテーブルに2人がゆったりとして座れ、疲れないで済むのです。
着席した途端、窮屈さを感じたので、セミナー担当者にお願いしました。
「すみません。このテーブルに3人座るのは、窮屈ですので、申し訳ないですが、後ろに余っているテーブルを使って頂けませんか?」
その若い担当者は言いました。
「それはできません。あのテーブルを使う許可をホテルから得ていませんので」
私は言い返しました。
「それでは、ホテル側に聞いてみたら如何ですか?」
担当者はかたくなに拒否します。
「もうすぐ、セミナーが始まりますので、今更そんな時間はありません」
私も食い下がります。
「でも、セミナーはこれから8時間もあるのですよ! 今ならまだ間に合うと思いますが」
その会話を聞いた他の受講者も言いました。
「あなたこの会場の担当者なんでしょうから、こんなに窮屈なのを見て、テーブルを増やすくらいの気配りがあってもいいんじゃないんですか?」
「……」
黙りこくっていた担当者の前に、セミナー開催のため、あいさつのスピーチに現れたセミナー会社の社長が突然会話に入り込んで来ました。
「○○君、皆さんからのリクエストなんだから、今すぐホテルの責任者に頼んで、余分にテーブルを設定してもらってくれ!」
それまであれだけ抵抗していたその担当者も、二つ返事です。
「はっ、はい。わかりました!」
私はその担当者の言動が不思議でしょうがありませんでした。なぜもっと場の空気を読んで、手を打たないのだろうかと。
私が彼にわざわざお願いしたのは、セミナー会場に入った瞬間、既に着席していた受講者達が、あまりの座席の窮屈さに文句タラタラだったからです。つまり、彼らを代表して伝えただけです。