凄い人ほど謙虚です。特に話し方において、抜群の謙虚さがあります。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」(みのるほどこうべをたれるいなほかな)
元々は詠み人知らずの俳句です。稲穂というのは実れば実るほど穂先が重くなり下
がっていくことから、「地位が上がっていけばいくほど、更に謙虚に生きなさい」ということを戒めてくれています。
その人が謙虚な人かどうかは、お会いして話してみればすぐにわかります。その謙虚さというものは、言動に滲み出てくるからです。
お金、名誉、地位、権力を得た人で、謙虚でない人によく会います。
そういう人は、大きな勘違いをしています。自分一人の力で成果を出し成功できた。だから、自分は他人と違い、偉いのだと。
そんな思いでいれば、時と共に人が離れていきますから、最後の末路は惨めなものとなります。
謙虚に話すことは、仕事の成功において必須です。仕事では、多くの方々と拘ります。人によっては、長く拘る人もいるかも知れませんが、ほとんどの人との拘りは、短く表面的です。
従って、あなたが一番評価されるところは、言動になります。相手からするとあなたの行動はいつもいっしょにいるわけではありませんので、フォローできないことも多く、見えにくいのです。そうすると、最も目立つのが、あなたが言う言葉であり、話し方です。
ですから、謙虚に話せない人は損をします。「この人のために応援をしてあげよう」と思わせられないからです。
逆に謙虚に話す人は、応援者やファン、また見方をどんどん増やします。なぜなら、人は謙虚な人が好きなのです。
相手に対して謙虚に話せるということは、相手を敬い評価している証拠なのです。
一方、謙虚に話せない人は、たとえそのつもりはなくても、実際には相手を見下していると見なされます。相手にしてみれば、自分を見下す人と、できればいっしょに仕事をしたくなくなります。いっしょにいれば、いつも嫌な思いをしますから。よほどのことがない限り、そんな嫌な思いをしてまで、相手を立てて支援する必要なありません。
ある経営者、A社長は若くして事業で大成功しました。創業時は、お金、経験、知識、信用、人脈等々、成功に必要なもののほとんどがありませんでした。
でも助けを求めてきたのです。
元来人助けが好きな私は、困っている彼を見て、全面的に協力することにしました。
でも、私だけでは、力不足だと判断し、実力者、B社長を紹介しました。B社長からの支援を上手く取り付けたA社長は会社を急成長させることができたのです。
あるとき、B社長といっしょに出席していた財界のパーティーでたまたまA社長にバッタリ会いました。その時のA社長との会話は忘れられません。
「いやー、浜口社長とB社長、お元気そうで」
すぐに私も挨拶を。
「ご無沙汰してます。貴社の大成功は、我々応援させて頂いた者としても、凄く嬉しいですね!」
「あー、そう言えば、創業時に応援してくれたこともありましたね。でも、アッと言う間に大きくなってしまいました。あの頃が懐かしいなあ……あなた方も、急成長したかったら、ノウハウを無料でお教えしますから、話を聞きに来て下さい。あー、でも、今は殺人的なスケジュールをこなしているので、来られる際はできるだけ早めに秘書に連絡しておいて下さい」
私とB社長はその言葉を聞いて唖然としてしまいました。10年前までは、我々に土下座までして、「会社が潰れそうなのでお助け下さい! 何でもしますから」と涙ながらに懇願してきた同じ人との発言とは思えなかったからです。
結局、A社長は、そのような傲慢な態度が基になって、周りの人からの反発を買い、役員会で突然社長を解任されてしまいました。