保身を捨てる


 日本は残念ながらいまだにサラリーマン中心社会です。ただ、サラリーマン組織にも素晴らしいところはいっぱいあります。

例えば、組織の一員として、一人ひとりが地道に毎日やるべきことをコツコツ行います。上司と部下の狭間で、ある時は上司のために責任を被り、ある時はミスをした部下を守るという、まさに浪花節的で可哀相なくらいです。

 しかし、これからは、例えサラリーマンでも組織の中でプロフェッショナルとしての生き方を極めなければ、組織の中で生き残れなくなりつつあります。

サラリーマンたりとも、お金をもらって仕事をしている限り、「結果にすべての責任をもつというプロとしての生き方」を目指すべきだということです。


衰退していった組織には共通点があります。中心者が保身で言動しているところです。

特に組織の顔であり総責任者でもあるリーダーが、自らの保身でリーダーシップをとっていたら、誰がそのリーダーと組織を信じられるのでしょうか? 

しかし、日本には今まであまりにもそんなリーダーと組織が多かったのです。

 

私が影響力のある組織では、人や組織の批判や評論をする人を絶対にリーダーや大事な立場にはさせません。

人や組織の批判や評論をする評論家タイプの人は、万が一間違って組織の中心者になっても、自分の保身のため他人や他社の批判や評論はしても、新しいことに挑戦するようなリスクのあることはしません。丁度、誰がなっても変わらない大企業の社長や官僚のようにです。

保身を捨て、その組織のためにすべてをかけられる人こそ、組織のリーダーになる資格があります。

幕末から明治維新にかけて活躍した人々は皆、国のために命を捨てる覚悟で行動しました。だから、あれだけの改革を成し遂げられたのです。今、日本の組織に必要な人は、組織のため、メンバーのために命をかけて言動できる人です。