天職運のある人、ない人
就職活動や転職活動を始め、同じようなことをしているのに、天職運のある人とない人がいます。なぜでしょう?
私は積極的に天職を探し求めているのと、希望的観測ではないですが、「いつか自分にしかできないやりがいのある天職が見つかるといいなあ……」というレベルで消極的に待っているのとの違いだと思います。つまり、天職に見つけようとする真剣み、姿勢の違いです。
何かを起こしたいと思ったら、まず強い願いが必要です。それも、ただの望みではなく、常時強烈に願わなければ、本当に自らの言動において、そうさせるだけのパワーが出てきません。
不思議なもので、人間何かについて強く願うと、夢も含めて無意識のうちに、そのことを考え始めます。そして、どんどんそうなるよう努力し、工夫し始めるのです。
よく「火事場のバカ力」と言います。追い込まれた時の人間のパワーがどんなに強く、信じがたいものであるかを表していますが、日常生活で、本来人間が持っているパワーを引き出せるぐらい、真剣に願えることは、そうはありません。
私も、どうしても入りたかった世界最大級の国際会計・経営コンサルティング会社、KPMGのニューヨーク本社の採用面接の際、自ら人間が持つそのパワーを知りました。
驚いたのですが、別人のように、冷静に客観的、且つ論理的に面接官に堂々と自分のことを売り込むことができたのです。
面接を受ける前までは、足はガクガク、声は震え、大変緊張していたのにです。
面接室に入った瞬間、この天職を何が何でも将来自分のものにしたいとの強い気持ちが自然に湧き出てきて、その執念で3人の面接官を圧倒してしまったのでした。
と言うのも、冷静に考えれば考えるほど、私がその時にKPMGに入社できる可能性は、限りなくゼロに近いと判断しました。それもそうで、次の4つの採用に必要な条件をいずれも満たしていなかったのです。
(1)英語堪能
(2)米国大学または大学院卒
(3)3年以上の経験
(4)米国公認会計士(CPA)またはCPAの資格が取れるだけの専門知識
それで思ったのです。
「今回はダメでも、将来必ず採用してもらえるようこの面接でアピールしておこう!」と。
ですから、面接室に入るまでは異常なほど緊張していたのに、急にリラックスできて、どうどうと振舞うことができました。
採用して頂けるまで、もう応募するなと言われるまで、何度でもチャレンジすることを固く心に決めたのでした。
私のそのやる気と意気込みを察知してか、3人の面接官達は、全員一致で例外的にその場で採用を内定してくれたのです!
後から面接官の一人から言われました。
「君のあの時の迫力は凄いものがあったよ! 話をしていて、ここまで当社を知りつくし買ってくれるなら、能力はさて置き、ぜひ採用したいと3人(面接官)とも思ったんだよ。その根性で仕事をしてくれたら、将来楽しみだと皆思ったのさ」
思えば、高校3年生の時に「国際経営コンサルタント」をしている人と出会い、彼の言動を通して、その職業が天職だと直感したのでした。
それから、その道を究めることを決意して以来、まず、その分野で世界的にトップクラスの会社に就職することを目標にしてきました。それで、一心不乱に、人に会いまくり、情報収集し、勉強してきたのです。念願叶って、大学卒業と同時に、まずその第一歩となる憧れの会社に就職できたのです。
あれから、23年。そこで培った訓練を基に、今は独立して、日々学んだことを実践しようとしています。
私は、天職運があったと思っています。しかし、ただ単に願っていただけなら、今も天職に就けなかったことでしょう。「自分に使命がある天職につきたい!」と祈りに祈って、人に会い学び、行動したからこそ、そのチャンスをものにできたのだと確信しています。