好きなこと、嫌いなこととは?


 一般的に自分の好きなことが仕事になれば、とてもラッキーなこととされています。逆に嫌いなことが仕事になれば、悲劇とも思えます。

 昔から「好きこそものの上手なれ」と言われるように、好きなことはできるだけ時間を使って研究・工夫するので、どんどん上手になります。それで、更に好きになるものです。

 従って、仕事で成功したければ、好きなことを探し、それを仕事にすればいいという論理になります。

 問題は、何が好きなのかわからないことです。

「天職の見つけ方」というテーマで講演していたとき、好きなことについて受講者に伺ってみました。

 驚いたことに、皆さん社会人であるのに、ほとんどの受講者が自分の好きなことがわかっていなかったのです!

 それで、逆に質問されました。

「浜口先生、どうしたら好きなことが見つかりますか?」とか「どうしたら、どの仕事が自分に向いていたり、好きだとわかったりするのでしょうか?」と。

 この方々には一つの問題があります。生活をしていく中で、好きなこと嫌いなことは誰にもあり、わかるはずです。

 なぜでしょう?

 経験したからです。つまり、やってみた結果、「いいなあ、これ」「意外と面白い!」「もう嫌だ! 二度としたくない」等々感じるはずです。

 ですから、好きなこと嫌いなことを発見するためには、とにかくまずやってみることです。

でも、趣味ならいいですが、さすがにお金をもらってやる仕事となると、なかなか腰掛け的にかかわることが許されません。であるなら、お金を要求しないボランティアやインターンという手があります。また、収入的に厳しい場合、派遣社員という形もとれます。

ただ、会社によっては、正社員しかとっていないところもありますので、その場合、その会社ややってみたい仕事に関する本を読んだり、セミナーに参加したりしたらヒントがもらえて参考になると思います。また実際にその会社や仕事に携わっている人に直接お話を伺うこともいいでしょう。

要は、何もしないでただ待っていては、何が好きで何が嫌いかはまったくわからないでしょう。

私の講演に参加された方で、好きな仕事が見つからないという人は、ほとんど受け身的な生き方をしている人です。つまり、なんとなく「いい仕事、好きな仕事が見つからないかなあ・・・・・・」と、呆然と考えているだけで、何のアクションもとっていないのです。


 結論として好きな仕事を見つける一番いい方法は、とにかくまず経験してみることです。それによって、その仕事を好きになれない、また嫌いになれば、最低でも将来その仕事は選ばないでしょう。実体を把握するという意味から、ただ憧れて待っているのでは、何の進歩もありません。

 私はこれを自身の体験から確信できたこともあり、「消去法的天職発見法」と勝手に名づけています。

現在の仕事「国際経営コンサルタント」が私にとって天職だと思っていますが、その仕事を見つけるまで、ボランティア活動やアルバイト、またインターンも含め32種類の仕事を経験してきました。

ですから、「国際経営コンサルタント」をしていた人と出合ったとき、直感的に「これだ! この仕事こそ僕のためにあるに違いない」と思い込んでしまいました。

周りの人、特に両親は、私が大勘違いをしていると思って心配していました。しかし、もうこの仕事に就いて、25年以上になりますが、やればやるほど天職であることを実感しています。