「やったことリスト」の作り方
既に「やったことリスト」の例は紹介しましたので、イメージを掴んで頂けたと思います。ただ、いざ作るとなると、作り方で躊躇される方も多いのではないでしょうか。
ですので、作り方のポイントも紹介しておきます。
一番簡単な方法は、今までやってきたこと、経験してきたことで、自分という人間が分かりやすい事実、事件、イベント、問題、言動等をどんどんカードや紙に書いていくのです。
その際、起きた時期や地域、また分野等の細かいことや分類は一切気にしないで下さい。すべてが出尽くした後で、まとめればいいだけのことですので。
また、いいことも悪いこともどんどん書いて下さい。当時いいことでも後々悪い結果に結びついたり、また悪いことでも、いいことが起きる原因になったりします。
たとえば、私は高校時代、国語と英語のすべての試験で赤点(100点満点中30未満)を取り続けていました。当時からすれば、とんでもない悪いことです。
勉強しないで赤点をとっていたのなら、まだいいのですが、人並みに勉強していたのにも、です。当時、試験の採点用紙が戻ってくる度に、周りの友人達は遠慮がありません。
「浜口、それは悲惨だ!」と。
バカにされているとも、同情されているともとれることを言われ続けていました。
でも、それが後々、私が国語と英語を克服するための原動力になったのです。
ですから、当時は悪いことだった「赤点の常習犯」というみっともない事実が、その後、「何が何でも苦手を克服するぞ!」という頑張るための材料になりました。
「やったことリスト」は出来上がったものを見れば、あなたがどんな人で、またそれまでどんな人生を送ってきたかを物語ってくれます。
ですので、他人があなたを客観的に理解するのにとても役に立ちます。
しかし、「やったことリスト」を作ることで最も恩恵を得るのは、他でもない作成者であるあなた自身です。
既に私の例でも紹介しましたが、「やったことリスト」を書くということは、本来の自分を見つめ、思い出させてくれるのです。普段は忙しくてついつい見逃しがちな自分を分析させてくれるのです。
たとえば、私のように、元々バカだった、記憶力が悪かった、体が弱かった、根性がなかった、不器用だった、人見知りだった、あがり症だった、恥ずかしがりだった、話下手だった、短気だった、集中力がなかった等々です。
学校を出て社会で荒波に揉まれているうちに、本来の自分がどんな人間であったかを完全に忘れてしまうのです。そんなことで、自分が誰だったかを考えもしないで、できる人と比較しては、「もう僕はダメだ! 同じ人間なのにこんなに能力や才能に差があるんだから……」