声は大きくハキハキと

 これからは成功するには、声が大きくハキハキと話す方が有利です。確かに私が知っている会社や組織では、出世している人は例外なく声が大きくハキハキと話します。

 理由は簡単です。もし、あなたが、声が大きくハキハキ話す部下と声が小さくボソボソ話す部下を持ち、どちらかを昇進させなければならない場合、他の面は、同じくらいだったら、迷うことなく声が大きくハキハキと話す部下を選びますよね。既に部下を持っている人は当然ですが、昇進ということは、新たに部下を持つということでもあります。であるならば、声が大きくハキハキと話せる人の方が、人を安心させリードし易いので無難な選択になります。

 頭が悪く、能力もなかった私が、日本の大学卒業後、米国で大手国際会計・経営コンサルティング会社に入り、曲りなりにもスピード出世させて頂いた理由の一つは、間違いなく、いつも声が大きくハキハキしていたからだと痛感します。

 でも実は、私は大学を出るまで、いつも小さい声でボソボソ話していました。何事においても、中途半端で成果が出せなかったため、すべてに自信がなく、それが自らの言動に出ていたわけです。お陰で存在感もなく、誰からも評価の対象にすらなりませんでした。誰かをリーダーに選ぶ際も、小学校から大学まで私を推薦する人は誰一人いませんでした。

 そんな私が変わったのは、渡米してからです。

米国に到着するなり、英語の勉強を兼ねて、ある非営利団体でボランティアをすることにしました。私の担当になったアメリカ人は、体もプロレスラーのように大きく強靭だったのですが、「世の中に普通の会話をするのに、こんなに大きい声で話す人がいたのか!」と驚かされました。

 彼は私と話すなり、いきなり鼓膜が破れそうになるくらい怒鳴りました。

「声が小さい! 口で声を出すな、腹から出せ! 声がでかくなるまで注意し続けるぞ!」

 それから、私は、その活動に出る度に、喉が枯れるくらい大きな声で話すようになりました。不思議なことに、それから段々普段の声も大きくなると同時に、自分の言動や生き方に自信が出てきたのです。

彼はと言えば某米国中堅銀行の頭取にまでなってしまったのです!