対話第一



「うちの課長、営業とか言っていつも会社にいないし、たまに来ても、急に突拍子もないこと頼んでくるし、何考えているかわからないよ~」

「A君会議でもいつも下向いて何も発言しないし、質問してもぼそぼそと答えにならないことばかりぼやいている。いったいどうなってるんだ、彼の頭?」 

「Bさんは何言ってもすぐ反対するんだよな。なんか僕のこと気に食わないのかなあ……」

 こんなこと思ったり聞いたりしたことありませんか? 私はよくあります。


 米国である組織のリーダーをしていた際、一番怖かったのは外の問題ではなく、内部から崩壊したことです。具体的には、コミュニケーション上の誤解から、メンバー間で争いが起こり、それが組織全体に波及したのです。たった二人で始まったミスコミュニケーションや誤解が、あっと言う間に派閥を作り組織全体が真二つに割れてしまったのです。

 当初は本当に大したことではありませんでした。ひどい時は、一方があいさつした際、他方が他の人と話をしていたので単に気がつかなかっただけなのに、意図的に無視したと受け止め、それで火がつき、組織挙げての大喧嘩になったのです。

勿論、そんな些細なことで大事件に発展するからには、普段からその素地はできています。ほとんどの場合、その理由は馬が合わないメンバー間でのコミュニケーションがまったくないのです。

ですのでメンバー間で揉め事が始まった際、私はまず対立している両者と別々に会い、お互いの言い分を聞くようにしています。それも相手が「ああ~ 言いたいことすべて言った!」とか「言いたい放題言ったから、うっぷんが晴れた~」とスッキリするまで聞き手に徹します。

よくよく聞いてみると対立している二人の意見や考え方は大して違いはありません。ちょっとした誤解や感情のもつれで悪い方に解釈しただけです。

解決策は、一つしかありません。「徹底した対話」です。


昔よく「話せばわかる」ということを聞きましたが、私は、自らの体験から「徹底的に対話すれば必ず分かり合え解決できる」と、いつも言い切っています。