真の慈悲の心で言動しよう
既に述べましたが、私には人生の師匠がいます。なぜその方を人生の師匠と決めたかと言いますと、いつも慈悲の心で人と接し激励されているからです。その方は本当に人間が大好きであることが、その接し方でよくわかります。人と会われている時、すごく嬉しそうで、はしゃいでいます。ジョークも連発されます。
なぜそんなに慈悲の心があるのだろうとずっと疑問に思っていました。でもある時、その疑問は解けました。その方は、ものすごく苦労されてきたため、人が苦しんでいたり、悲しんでいたら、人事で終わらないのです。自分のことのように受け止められるのです。
その方は、幼少から経済苦のため、働いて家を支えられていました。戦争でご兄弟を亡くされ、二十歳前には結核を煩い、三十歳まで生きられないだろうと医者から言われていたそうです。また、無実の疑いで刑務所にも入られました。そして、お子さんを若くして病気で亡くされています。
つまり、その方は人生において人間が受けるほぼすべての悩みと苦労を経験されてきているのです。ですので、他人の悩みや苦労が自然と自分のものになるようです。
その方は組織のリーダーとして周りの人のハートを見事に掴んでおり、皆彼のことが大好きで尊敬しています。彼は権威主義が大嫌いで、本音で人間平等だと思われています。そして、平和をこよなく愛し人間の命ほど大切なものはないといつも言われています。
リーダーとなる人が真の慈悲の心で言動することがこれほどまでに、組織のメンバーを感動させ、メンバーの心を引き付け、伸び伸びと頑張らせるものか、本当によくわかりました。私もそうなりたいと思い、一生懸命真似ています。
「慈悲」とは仏教用語で、相手の幸せのために間違っていることは指摘し、正しい方向に導いてあげる行為をさします。良き人間関係の構築でカギになるのは、この「慈悲」の心ではないでしょうか。それはどの人の心にも伝わり、感動させ、頑張らせる不思議な誘引力を持っています。
逆に「慈悲」の心のない人は、本音では誰もついてきません。つまり「慈悲」の心がなければ、人の心は動かせませんから、本物の人間関係も作れないとも言えます。