小学校のときの友人に、演劇に人生を賭けようとしている人がいました。
でも、彼は生まれながらにして白血病でした。私は彼が亡くなるまで病気のことを知りませんでした。あれから40年近く経っているのに、今でも目をつぶると、明るく演じている彼の姿が瞼に浮かびます。
ご両親はせめて小学校だけでも行かせてあげたいと思ったのだそうです。ですから、彼は運動以外の授業では、極力皆といっしょに行動しようとしていました。
彼と私はとても仲良くなりました。お互い体が小さかったため、並ぶと必ず隣同士になって話すのです。彼はいつも演劇の話をし、とても嬉しそうで目を輝かせていました。とても重病人とは思えないくらいに。
あるとき、彼と私は約束しました。大人になったら、私が脚本を書いて、彼がそれを演じることを。しかし、彼は小学校を卒業する直前に、高熱で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。それから二日後、なんと彼から私宛に手紙が届きました。そこには震えた文字で短い文章が。
「もう会えなくなってごめん。お詫びに夜空で役を演じて見せるから、いつかボクのために脚本を書いてね!」
それから、夜空を見上げることは私の日課となりました。