頼まれたことはすぐやる



「山田君、先週頼んだ、清水商事の大木社長とのアポどうなった?」

「あ! あれはですね……翌日清水社長に電話したら留守でしたので、一応電話あったことを秘書に伝えてもらうことにしました」

「え! じゃあ、その後何もフォローしていないの?」

「いえ、また電話したのですが、その時もいらっしゃらなかったので……」

「じゃあ、まだアポが入ってないというこだな!」

「はい、こんな調子だとアポ入れるのかなり時間かかると思いますが……」

「ちょっと待て! 私が君に頼んだ時は、清水社長と電話で話した直後だったんだぞ! なんであの時すぐに秘書に電話してアポ入れなかったんだ? あの時すぐに電話してれば、一発でアポ入っていたはずだ!」

「すみません……そんなにお急ぎだとは思いませんでしたので……」

「普段から言ってるだろう。お客様とのアポは何よりも最優先だと。今まで、何を聞いてたんだ? もう、いい! 君にはもう頼まん! これからは、何でもすぐやってくれる木の下君に頼むようにするから」

「いや課長、次から気をつけますので……」


山田君にはもう次のチャンスはないでしょう。本当によく起こることだと思います。

昔から「急ぐ仕事を頼む場合、一番忙しい人に頼め」というルールがあります。忙しい人は、次から次へと仕事が入ってきますから、頼まれたすぐにやるからです。

一方、暇な人や仕事のできない人は、行動が遅い上、時間があるので後でやろうとします。しかし、後になれば忘れるか、他の急ぎの仕事が入ってきて更に後回しにします。結果的には、やるチャンスを逸してしまいます。

私も職場では戦争のような毎日を過ごしていますので、頼まれたら本人の目の前で電話し、必要なアレンジをするよう心がけています。もし、その場でアレンジできなかった場合、後でも必ず実行されるよう秘書に確認するなどの手を打ちます。

頼まれたことを結果的にやらなかった場合、今まで積み上げてきた信用をすべて失います。