「インプット・アウトプット」ルール



 勉強はプロセスも大切ですが、成果も大事です。

「あんなに頑張って勉強したのに、力が出せなかった」ということをよく聞きます。試験などで緊張したりして、普段の力が出せないということもあるでしょう。

 しかし、普段しっかり準備していれば、緊張することはないはずです。単に準備したものを出せばいいのですから。

私は、この出すことを「アウトプット」、そして、出すための準備のことを「インプット」と言っています。

そして「アウトプット」を充実させるためには、いい「インプット」を十分にしておかなければなりません。


 この「インプット・アウトプット」の考え方は、英語の勉強に例えるとわかりやすいのではないでしょうか。

学校で英語を習っているにもかかわらず、ほとんどの日本人が英語を話せません。

それもそのはず。英語のネイティブ・スピーカーくらいに話せるようになるためには、単に学校等で習った英文を覚えるだけではダメだからです。

丸暗記したものは時間が経てばすぐに忘れてしまいます。さらに、書いてあるものを暗記しても、どんな状況で使うのかがよくわからないため、なかなか使えません。仮に話してもトンチンカンな会話になってしまうでしょう。


つまり、インプットさえすればいい、というわけではないのです。

 要は、正しくアウトプットするためには、いいインプットが必要であり、さらにアウトプットするその何十倍もインプットする必要があるのです。

様々な状況の中で大量のインプットをしてきているからこそ、状況に合わせて適切なアウトプットができるのです。

 文章を書くのも同じです。たくさん本を読んでいるからこそ、頭の中にたくさんの文章がインプットされ、その中から最適な文章をアウトプットできるようになるのです。

 なんでもかんでもインプットするのではなく、いいインプットを行いましょう。

いいインプットの仕方での私流の方法は、二つあります。

 一つは、いい言葉・文章、情報、内容などに出会ったら、写し書きしたり、何度も何度も声に出して読んだりします。そうすることで自分のものになります。

 もう一つは、いつもアウトプットを意識して、学ぶのです。そうすると、これは来週行われるA社へのプレゼンに使えるなあなどと、効果的なアウトプットの場に出せるようになります。

 常にアウトプットを意識して生活をしていると、最適なアウトプットができるようなアイデアや情報を自然と探し始めますので、効果的なインプット探索ができるようになります。要するに、アウトプットを意識していますから、アウトプットに関係のない情報や内容には目が行かなくなります。

私は講演をする際、最適なアウトプット、つまり高く評価される話をするために、しばらくいいインプットできるように徹底して情報収集をします。具体的には、話すテーマに関する本や雑誌を読んだり、その道のプロにお話を伺ったりするのです。

そのとき、最も大事にしていることは、私が発するアウトプット(話)で、受け取る側である受講者に一番役立つ内容にするためには、何をインプットすべきか、です。簡単に言ってみれば、私が言いたいこと、伝えたいことより、受講者が私から何を一番聞きたいのか、学びたいかを徹底的に探求し、それに則したアウトプット(話)をするのです。

要するにアウトプットを意識しないインプットは、独りよがりで、本物の勉強ではないのです。