本物の勉強をすればするほど、人間性が向上します。謙虚になります。これ

は、世界中の多くの成功者を見てきて、世界共通であり、昔からの普遍の真理

でもあると実感します。

本物の勉強をする人としない人とでは、一年も経てば明確な差がつきます。

この場合の「本物」の意味がわかりますか?

「本物」とは、単に知識や専門能力を高めるために勉強するのではなく、勉強を通して、自分の弱さや欠点を克服するため、限りなく努力することを指します。

 勉強というと、ついつい特定の分野を学ぶことと考えがちですが、本物の勉強とは、自分を成長させてくれること、人、もの等すべてが、対象になります。

 ここで大事なのは、「何のために勉強するのか?」なのです。

 知識や専門能力の向上のために勉強すれば、評価が高まり、出世できると勘違いする人がよくいます。確かに、知識や専門能力が高まれば、若い頃は、即評価につながり、昇進ということもあるかも知れません。

 しかし、管理職レベルになると、そうはいきません。知識や専門能力があるのは、当たり前で、その上で人間性が優れていないと部下を育てられませんし、引っ張っていくこともできません。つまり、人間としての総合能力を見られるのです。

 その総合力の中で、最も大事なのが、人間性です。従って、若いときから、人間性の向上に努めなければなりません。

 人間性の向上に最も役立つのが、本物の勉強をすることです。本物の勉強とは、学校の勉強と違い、いつでもどこでも誰からでも学ぶということなのです。

 色々な人や様々なことから学び続けていると、ある一つのことに気づきます。自分がどれだけ恵まれているかということです。

 その結果、感謝の心が生まれてきます。

 よく聞くのは、「自分ほど運がない人もいない!」とか「自分は不幸だ!」という言葉です。

 本当にそうでしょうか?

 私は講演でいつも言います。

「この平和な時代に、平和な国・日本に生まれ育ち、今日生き抜けるかどうかを心配しないで済むのは、とても運がいいことではありませんか。なぜなら、世界中には、親や兄弟を戦争で亡くし、学校に行きたくても学校もない。貧しいので重病なのに、病院にも行けない。ただ、病死・餓死するのを待つだけという子供達が何万人もいるのです。この瞬間にも、貧しい国に生まれた子供達は病死・餓死していっているのです。それを思えば、私達は、どれほど幸運なのか理解頂けますよね! ですから、頑張りたくても頑張れないで死んでいく彼らの代わりに、幸運な環境に生まれ育った私達は、一生懸命勉強して、世のため人のために、多少でもいいのでその知識や専門能力を使っていきましょうよ! 無念にも死んでいく子供達のために、世の中をよくするために、学んで役立てていきませんか!」

 マハトマ・ガンジーにしても、野口英世にしても、本物の勉強をした人は、最終的には世のため人のために人生を使っています。

 何もガンジーのように宗教家や野口英世のように医療に携わらなければならないわけではありませんが、結局は、彼らのように勉強すればするほど、人間性が向上していくものです。

 ですから、もし勉強をしているのに、人間性が向上していかない自分がいるとしたら、ただ単に知識を増やし専門能力を高める勉強をしているだけなのです。本物の勉強をしていないのです。

 そんな人は、いくらキャリアや経験を積んでいっても、個人プレーヤーであり専門バカでしかありませんから、人は評価してくれないし、誰もついて来ません。勉強すること自身が目的となり、勉強が人間性向上のためのツールであることを理解していないのです。

 会社や組織でいつか痛い思いをして、気づくときがくるでしょう。