こんなこと今更と思う方がほとんどでしょう。しかし、勉強する理由がわかっていない人が意外に多いこと多いこと。

 私は新卒採用のための面接で、「なぜ勉強すると思いますか?」という質問をよくします。すると、大抵、「知識を増やすため」とか「資格試験にパスするため」という答えが返ってきます。

 勿論、人それぞれ勉強する目的が、その都度その都度の事情に合わせてあっていいのです。

 しかし、間違えてはいけません。長くて短い人生においてなぜ勉強をするのかを、です。

 実はこの質問の究極の答えは、皆共通であるはずです。

 つまり、我々は、人間的に成長するために勉強するのです。言い換えると、人間性を高め、人間としてより総合力をつけていくために、勉強するのです。

 ですから、知識を増やすためでも、専門能力を高めるためだけではありません。むしろ、それらは、二の次です。

 どんなに知識を増やしても、専門能力を高めても、いっしょに人間性も高まっていかなければ、本来の勉強の目的からみると本末転倒なのです。

 知識や専門能力のために勉強していれば、頭でっかちになるだけで、人間的には成長できません。そうであれば、周りの人から好かれません。

 勉強の究極の目的が、人間性の向上ですから、知識が増えたとか、能力が高まったという技術的、結果的なことよりも、どれだけ努力したか、どれだけ弱い自分に挑戦して勉強できたかということの方がもっと大事であり、意義深いのです。

 勉強したことのプロセスでどれだけ、努力したか、どれだけ工夫したか、どれだけ葛藤・挫折しながらも乗り越えてきたかが将来への精神的財産となります。

「ウォルマート」を創業し、世界最大の流通企業として育て上げた、サム・ウォルトン氏がよく語ってくれました。

「一生勉強ですね。勉強すればするほど、自分が人間的にまだまだであることがわかり、歳ばっかりとっていくのが恥かしくなります」と。

 ぜひ、「生涯勉強」の精神で、毎日勉強していきたいものです。

今までの緩やかな変化と違って、我々を取り巻く環境は、21世紀に入って激変していっています。

ですから、高度経済成長期やバブル経済期のように、経済全体が潤っていた時代は、勉強をしなくても、現場でがむしゃらに頑張っていれば、なんとか会社や組織にいられたのですが、今では頑張るだけではダメです。限られた期間内で結果を出さなければならないのです。つまり、結果がすべての時代に入ったのです。

これは、会社や組織が本格的にプロフェッショナル化しつつあることを意味します。

プロフェッショナル、つまりプロとは、何も野球またサッカーに代表されるプロスポーツや弁護士や公認会計士などのように有資格者だけに人達のことではなくなりました。

今や、仕事をすることで一円でもお金をもらったら、その仕事をする人はプロとしてみなされるのです。

プロは、決められた期限内で、依頼してきた人の期待以上の成果を出さなければならない責任を持っています。

その依頼者とは、何もお客様だけではありません。職場での上司や先輩も、報酬と引き換えに仕事を頼んでくる以上、依頼者になるのです。

そうなると、過去のようにダラダラではなく、効率的かつ効果的に実質的な仕事をしなければ成果が出ません。

効率的かつ効果的に仕事ができるようになるためには、現場での実践も大事ですが、日々の勉強も欠かせません。勉強していない人は、理論や全体像がわかりませんから、効率的かつ効果的に仕事をすることが出来ないのです。

 従って、勉強していない人は、会社や組織の中で取り残され、遂にはいらない存在、邪魔な人として扱われていくのです。

 そんなことで、今後、勉強しない人は大損をすることでしょう。

具体的には、会社や組織にいらない存在となるわけですから、降格、減給、左遷、早期退職、解雇等々、厳しい現実が待ち受けているのです。

 とにかく、勉強しないと会社や組織に続けていられないという大変な時代になったということは言えます。