人が仕事で、速く成長できるかできないかは、目標の設定にかかっている。なぜなら、目標が適切で具体的であればあるほど、それに向かって頑張れるので、どんどん伸びて力もつけていけるからだ。
逆に、目標が曖昧だったり、具体的でなければ、力の入れようがないので、頑張れないし前進できない。だから目標の設定の仕方で、あなたのプロフェッショナルとしての、さらに人間としての成長度や力のつき方が大きく変わってくる。
ちなみに私が新人の頃は、あまりにも仕事ができなさ過ぎて、目標とすべき中身がまったく見当がつかなかった。一言で言えば、「仕事ができるようになりたい」なのだが、それでは曖昧過ぎて目標にはならない。
当時はあまり考えても出てこなかったので、次のような基本的なことを目標として設定した。
▼朝五時に起床する
▼会社に到着する間の通勤時間に、経済新聞をすみからすみまで目を通す
▼就業時間より最低一時間前に出社し、その日一日にやるべきことのリスト、つまり「TO DO リスト」を作る
▼毎朝元気よく大きな声で心をこめて一人ひとりにあいさつする
▼何事も頼まれたらすぐやる
▼日記を書いて毎日反省する
読んでのとおり、どちらかと言うと、行動計画に近いものがある。しかし、当時はこれらを実行することは、新人の私にとって大きな目標だった。なぜなら、何一つできていなかったからだ。
ただし良かったのは、どれも具体的だったので、できたかできなかったかを毎日チェックすることができたこと。そのお陰で、すべてやり切ることに集中し、結果的には、一カ月もすれば完璧にできるようになった。
そうしたら、今度は本当に目標らしい目標を立てられるようになった。
たとえば、「五年以内に課長になる!」「働きながら米国公認会計士(CPA)の試験に三年以内にパスする!」「働きながら経営管理学修士号(MBA)を五年以内に取る!」などである。
すでに毎日の目標が達成できていたことから、その積み重ねであるこれら長期的な目標も、なんとか達成できた。