みなさんは、たかだか電話の応対と思うかもしれない。しかし、電話の応対を見れば、その人が仕事ができるか、また将来伸びるかどうかすぐにわかる。

 できる人は、電話の会話が短い。大体三十秒で終わる。長くてもせいぜい三分以内だ。

 なぜ短くできるのか? それはポイントをついて話すからだ。結論から先に言い、大事なポイントだけ伝える。

 そう聞くと、極めて事務的な会話に思えるだろう。ところが違う。ビジネスライクでありながら、心もこもっていて礼儀正しい。聞いていて気持ちがいい。電話を切った瞬間、次回はいっしょに飲みに行きたくなるくらいだ。

 一方、仕事の電話で冗談や世間話ばかりして長話する人もいる。話している相手のほうも忙しいときには、イライラするだろう。周りの人も、時間に追われながら一生懸命働いているのに、いい迷惑である。

 考えてほしい。電話をするときに一番大事なのは、時間ではない。相手の立場を考えて、心をこめて対話することだ。心さえこもっていれば、いくら短くても、また仕事の話だけで終わっても、その誠実さは伝わる。

 なぜか? それは言葉づかいでわかるからだ。丁寧かつ謙虚、でも親しみ深い。そんな話し方を学びたいものだ。

 逆に困るのは、甘えた声や怒った声で話されること。せっかく、要点だけを間違えないように話し合おうとするのに、余計に気を使わなければならなくなる。

 また、いちいち「え~と」「あの~」「その~」と間があく話し方をするのも、相手にはかなり不快だ。忙しい人ほど、テキパキと電話をこなしたいのに、間抜けな話し方をされると、ひどいときは二度と電話したくないとまで思われてしまう。

 電話の応対が上手くなる手っ取り早い方法は、上手な人の話し方を盗み、真似をすることだ。そのために、周りの人の電話の応対ぶりをしっかり聞くようにすること。そうすると、上手い人と下手な人にはかなりの差があることがはっきりわかる。

 では、電話が上手い人になるにはどうすればいいだろうか。

 一つだけポイントを挙げると、まず代理で電話を受ける場合、相手の名前、社名、連絡先電話番号をしっかりメモすることだ。そして、メモをとるだけではなく、必ず確認、つまり復唱する。間違えたら、相手とは連絡がつかなくなることもあるので、相手とかかってきた社内の人、両者に迷惑をかける。だから、メモはくれぐれも丁寧かつ慎重にすべきだ。