辞めるかどうかを迷っていたとき、あるアメリカ人の先輩に相談をした。彼は厳しかった。
「ネイト、辞めるのは君の勝手だ。でも、今辞めたら、君のことを我々は一生信用しないだろう。結局、自分に負けたやつだと思うだけ。これだけ皆に仕事で迷惑をかけてきたんだからな。ただ、辞める前にするべきことがあるんじゃないのか?」
「辞める前にするべきことですか?」
「そうだよ。このまま逃げたと思われてもいいのか? お前と俺の仲だからおせっかいだろうけど遠慮なく言わせてもらう。もし、お前を採用する会社が出てきたら、彼らは間違いなく、お前の当社での働きぶりを確認してくるぞ。そのとき、我々は正直に『彼は頼んでもすぐ忘れて仕事をしない、無責任な部下でした』としか、言いようがないよ。それでいいのか? お前はもうまともなところには再就職できなくなる可能性が大だぞ」
私はハッとした。
〈そうだ、先輩の言うとおりだ! これは職場の問題ではない。僕の短所であり弱さだ。職場を変えても、自分が変わらない限り、ずっと根本的、致命的弱点としてつきまとってくる。とにかく、今いる場で、現実から一歩も逃げることなく、自分を変革していくしかない〉
私は一大決意をした。そのときから、とにかく「メモ取りの達人」を目指すべく、「メモ魔」と化した。本当に徹底的にどこでもいつでもメモをとりまくった。
そうしたら、時間はかかったが、人から頼まれたことは一切忘れず、すぐに実行できるようになったのだ!