仕事をする際に、目標になる上司や教えてもらえる先輩がいると大変心強い。

 学ぶことのできる人を見つけるためには、いつも同じ人とばかりではなく、性格・バックグラウンドの異なる人や立場の違う人とも積極的に付き合うことだ。

 そして、社内外で周りにいるすべての人から、学べることはなんでも学ぼうとする謙虚な気持ちが重要となってくる。人により得意分野や知識レベルは異なる。だから、分野ごとに誰に教わるかも変わってくる。

 私は、大学を出て就職した際、上司の秘書を含め、周りにいる人全員が先生になった。仕事が本当にできなかったため、とにかく学ぶ人だらけ、学ぶことだらけ。

 当然、周りには尊敬されている人もいれば、嫌われている人もいた。

 しかし、私には、その他人による他人の評価はどうでもよかった。なぜなら、誰もが私より仕事ができることは間違いなかったし、各人の優れているところを盗むことで必死の毎日だったからだ。

 よく、上司や先輩の短所を見つけては、「あの上司はあそこがダメ」「あの先輩は、ここがなってない」などと、部下でありながら評価している人がいる。

 間違えてはいけない。部下は叱られ訓練され、そして評価される側であって、人を、特に上司や先輩を評価する立場にはない。ひたすら学ぶ立場だ。

 最初の頃、新人だった私は両親を恨んでいた。

「もう少し賢い子に生み育ててくれれば、こんなにバカで仕事ができない人間にならなくて済んだのになあ……」と。

 しかし、優秀な人や頭のいい人の傲慢な言動を目の当たりにしたとき、こんなにバカに生み育ててくれたことを感謝した。なぜなら、どんなことがあっても謙虚に生きていけるからだ。自分以外皆先生だと心の底から思え、どんな人からでも学び続けられるからだ。