失敗とミスをするのは、新しいことをしている証拠

 私は新入社員の頃、失敗とミスの連続の毎日だった。

 周りの先輩からは「新人とはいえ、よくもまあ、こんなによく失敗とミスを繰り返すなあ……」と、呆れられていた。

 自分なりに失敗やミスをしないよう、必死で注意深くやっていたつもりだった。しかし、いつも緊張しているわけにはいかない。たまたまちょっと気を抜いたら、それが失敗やミスの原因になった。

 最初は〈本当に注意散漫で、人間として欠陥があるのではないか〉と真剣に悩んだ。また、特に注意力を必要とする職業に就いたことから、自分にはその仕事が向いていないのではないかとさえ思い始めた。

 ただ、そこでも大きな間違いをしていた。

 それは、失敗やミスをすること自体がダメだと思っていたことだ。実は失敗やミスは、場合によっては、歓迎すべきことなのだ。

 そのことに気づかせてくれたのが、アメリカ人の上司だった。

「同じことで失敗やミスを繰り返しているわけでなかったら、失敗やミスは実はいいことなんだよ」

「え! なんでですか?」

「だって、自分が楽にできること、慣れていることばかりやっていたら、手馴れているから失敗やミスはしないでしょう。失敗やミスをするということは、慣れないこと、つまり新しいことに挑戦している証拠だよ。だから、『失敗やミスを恐れず、どんどん新しいことに挑戦しなさい! 新しいことに挑戦したために犯した失敗やミスは大いに結構だ』と私は、部下に言い続けてきた」

「なるほど。それでは、実際に失敗やミスをしたら、どうしたらいいのでしょう?」

「言い訳など一切せず、すぐに関係者に知らせた上で誠心誠意謝ることだよ。つまり誠意と謝意を表すしかないでしょう」