今までの人生で後先考えずに、がむしゃらになって物事に取り組んだことがあるだろうか?

 とにかくバカになって目の前のことをやる。このことの重要性に、どれだけの人が気づいているだろうか。

 大抵の人は目の前のことを疎かにして、先の夢や理想的なことばかり考える傾向にある。そして、悩み心配する。

「このままでいいのだろうか?」

「夢を実現するためには、どうしたらいいのだろう?」

 目の前のことを疎かにしつつ、空回りの思いに自然と浸ってしまう。

 就職したての新人だった頃、私も同じだった。そんな中、先輩に言われたのだ。

「今、目の前にあることをきちんとできない人間が、先のことをいくら考えても何ができると思う? まず、バカになって目の前のことを一つひとつこなしていくしかないじゃないか。延々と悩み心配することで、成果が出るなら、大いにそうすべきだが、実際には時間の無駄だ。そんな時間があるのなら、すべてを忘れ、今やるべきことに全力で当たるべきだよ。僕もそうしてきたんだ」

 仕事をきちっとやり切ってきた先輩のその言葉には重みがあった。彼は、仕事は理屈ではないことを教えてくれた。また、成果を出したかったら、物事に順序をつけ、やるべきことの順にどんどんやっていくことも教えてくれた。