考えてほしい。世の中の人、皆が、入社してすぐに専門的な仕事ができるわけではない。やはり能力の差が厳然と存在する。

 私も、専門分野での仕事では、上司や先輩から何度も何度も言われ続けた。

「そんなこともわからないのか!」

「さっき説明しただろう。もう忘れたのか!」

「本当にお前は頭が悪すぎるな!」

 まったくそのとおりだからしょうがない。

 しかし、言われるたびに、肝に銘じた。

〈総合力、特に「人間力」では、認めてもらえるプロフェッショナルになろう!〉と。

 そこでは、雑用を嫌がらずに前向きにできるかが大きなポイントとなる。

 新人で入社後一、二年は誰でも経験があるだろうが、まず雑用をやらされる。そこで雑用をしている人を見ていて面白いことがある。

 優秀な人、頭のいい人ほど、雑用を頼まれると嫌がる。それもその嫌な気持ちが、ありありと顔に出るのだ。

 仕事のできない人は率先して雑用をして自分の存在価値を高めていく。高度な仕事ができない代わりに、雑用を率先してやることで、会社にとって、いてもらいたい存在となるのだ。

 私はそれを目指した。

 よく考えてもらいたい。仕事というものは雑用に始まり、雑用に終わる。雑用はどんな仕事においても完成のためには必要不可欠なこと。

 つまり、「雑用なくして仕事はない!」のだ。

 たしかに、雑用ばかりしていては、なんら仕事にやりがいを見出せないこともあるかもしれない。でも、小さくても職場で役に立っているのなら、それでいいではないか。その分周りから評価・感謝されているのだから。

「雑用の達人」になろう! 

 そして、仕事における「縁の下の力持ち」を目指そう!

 本当に仕事のできる人とは、じつは優秀な人、頭のいい人ではないのだ。「雑用の達人」であることを覚えておいてほしい。