私は32歳でコンサルティング会社を立ち上げましたが、初めは全然クライアントができませんでした。だから、どんな仕事でも、とりあえず引き受けました。後々、「とんでもない仕事を引き受けてしまった」と後悔することも多かったのですが、当時は、仕事を取捨選択している余裕などなかったのです。
独立して最初に『マルチメディアを利用した遠隔医療の最新調査』という依頼が舞い込みました。でも、マルチメディアについても、遠隔医療についても、実のところよくわかっていませんでした。「最新情報なんかどこに行ったらわかるの?」というレベル。しかも、実質3週間以内に終わらせなければいけない。
期日までに終わる可能性は限りなくゼロ。
ところが、もがき苦しんでいるうちに光明が見えてくるものです。
初めは自分一人で何とかしようと試み、全然、前に進めませんでした。そこで方針を変え、遠隔医療に詳しそうな人をピックアップし、とにかく数多くの人に聞きまくっていきました。一人にアタックしては話を聞き、また新たな人を紹介してもらう。こうして人の輪を広げていくうちに、ドンピシャというか、このテーマにとても詳しい専門家と巡り会えたのです。
「それは簡単です。アメリカのこういうところに問い合わせればすぐにわかるよ」
彼にヒアリングして必要な情報を聞き出し、さらには、視察先や専門家も教えてもらい、実現の可能性がゼロに近かったプロジェクトが解決できたのです。
このとき改めて、行動する大切さを実感しました。
断ってしまえば苦労することもないのですが、「何とかできるんじゃないか」と考え、試行錯誤を繰り返していると、高かった障壁がどんどん低くなっていきます。とりかかった当初は「99%不可能」と思った案件が、そのうち五分五分の可能性にまで高まり、最終的には「99%可能」に逆転する。たとえ実現の可能性が1%しかなくとも、行動することで新しい世界が開け、可能性も高まっていきます。