専門的な勉強は新入社員のときから十年間行いました。その間、学校に通って知識を学ぶのに加えて、人に教えるという勉強もしたのです。
誰かに話してみると、いかにいい加減にインプットしていたのかがわかります。人に教えるためには、核となる部分をしっかり理解したうえで、相手がわかるように自分の言葉で説明していく訓練をしないといけません。
そもそもコンサルタントは教える仕事でもありますから、まさに一石二鳥です。
大学院では助手をしながら、自分でも授業をしたいと申し出ました。それで、大学院生にビジネスや税金、税務、財務を週に二回教えていました。
「教えるは最高の学習法」。これは、実際に教えてみて、実感したことです。
つまり、効果的に教えるためには、まず自分が完璧に理解し、その後自分の言葉でわかりやすく具体的に説明しなければならないのです。
そのため、単に自分のためになんとなく学ぶのと違い、かなり緊張し、また集中して勉強します。一語一句なりとも軽視できなくなります。実際に、授業で聞かれて答えられなければ、バカにされ教え続けられなくなるからです。
しかし、それを続けているうちに、記憶力と理解力が極端に悪かったはずの私でも、短時間で教科書内にある大事なポイントを掴めるようになりました。
もっとすごいのは、しまいには教えるための準備をそれほどしっかりしなくてよくなったのです。なぜだかわかりますか? 授業中、学生が質問してきて、私が答えられなくても、「先生がすぐに教えたら皆のためにならないから、次の授業までに全員調べてきなさい!」を連発して、毎回逃げ切るのです。そして、次の授業の際に、何人かの学生に答えを発表させて、一番皆が納得した説明を正式な回答とするのです。
こうやっていると、受講生からは「全員参加型の授業をしてくれるいい先生」との高い評価を得て、学生の間で「人気講師」になってしまいました。