出世できるかできないかの違いは、仕事の基本、雑用を大事にできるか否かの違いでしかない。入社当時、上司にこのように言われたとき、「そうなんだ 」とは思ったものの、真に実感できてはいませんでした。

 しかし、私自身、特に専門分野に長けていたわけでもなく、ある意味、できない社員と自覚しながらも仕事に打ち込んできたのですが、結果的にスピード出世を果たしました。同期の社員のなかで、最初に課長や部長に抜擢されたのです。

 そこで、「自分のどこが人より秀でていたんだろう」「何を評価されたんだろう」と振り返ると、結局のところ、雑用を含めた仕事の基本を大事にしているという部分だったのですね。

 コピー取り、電話の応対、書類の郵送、上司への連絡や相談、業務上のメモ、日々の挨拶、身の回りの整理整頓……。とにかく、こうした基本的なことを大事にしました。逆に言うと、それのみ。細かな基本の積み重ねを徹底しただけ。

 どんなに専門知識が素晴らしくとも、それだけでは評価されない。もっと根本的な部分、突き詰めてみると社会人として立派かどうかが問われているんです。社会人として一人前になれば、自動的に出世するし、結果も出せるのです。

 すごくシンプルです。でも、シンプルだから差がハッキリと現れます。

 一人前の社会人は意外と少ないものです。基本的な礼儀作法から始まって、仕事を進めるうえで準備、段取りを怠らない。私生活でもしっかりと自己管理を行う。

 このように、社会人としてやるべきことがしっかりとできている人が、大きな仕事でも成果を出し、スピード出世できるのではないでしょうか。

 大口の契約をまとめたり、商品開発でヒットを飛ばしたりと、最初から大きな仕事ができるわけがありません。たとえ幸運にも、初めからそういう仕事に巡り会えたとしても、真の実力が身についていないと、継続的な実績は伴いません。小さい仕事の積み重ねが、結果的に計り知れないアドバンテージとなるのです。