営業

どんな仕事でも必ず何かを売らなければならない状況に出くわす。営業担当ならなおさらだ。

「何言っているんだ。私は営業職ではないから、何も売る必要はないですよ!」

 確かに営業の仕事をしていなければ、頻繁に売らなくても済むだろう。しかし、仕事をしている限り、あなたは誰かに何かを売らなければならない。それは必ずしも、商品やサービスではない。

 たとえば、社内での企画や提案は、上司や他の社員にそれを採用してもらえるよう、上手く説明・説得し、あなたの案を受け入れてもらわなければならない。

 また、時々上司に自分の仕事ぶりを直接的又は間接的にアピールして、理解・評価してもらわなければならないのだ。従って、どんな立場であっても、仕事をしている限り、あなたは何かを売らなければならない。

 

何かを売らなければならなくなると、ほとんどの人は間違える。そのものを売ろうとするのだ。

「売ることの達人」だった昔のアメリカ人上司から教わったことだが、「何かを売りたければ、まず自分を売るべき」なのだ。更に自分そのものよりも、人間性を売る。この人といっしょにビジネス・仕事をしたいと思わせるのです。

あなたは、信用できない相手、または好きでない相手から、何かを買ったり、採用したりするだろうか?

買ってもらう、また採用してもらうことの基本かつ秘訣は、まずあなた自身の人間性を知ってもらうこと。そして、評価してもらい、好きになってもらうことなのだ。

人間性を好きになってもらえたら、時間はかかるかも知れないが、いつか必ず買ってもらえたり、採用してもらえたりする。

 人間性を売るためには、普段から人間性を高める努力をしなければならない。人間性が高くなければ、売ることができないから。

 人間性を高める近道は、世のため人のために生き、仕事をすることだ。

30、残業

 一昔前までは、残業することがハードワークの象徴であり、美徳とされていた。高度経済成長期やバブル経済期では、その傾向は絶頂だった。仕事の中身はさほど大事でなく、「イケイケ、ゴーゴー」。とにかく就業時間後も会社に残って何かしていたら、協調性のあるいい社員ということに。

 それは市場が拡大し、経済が潤っていたからの話。ビジネス環境が激変し、日本への外資侵入も含め国際的競争が激化した今、経営において費用対効果、時間対効果が最も問われている。つまり、大した生産性や効果も得られないのに、残業をする時代ではなくなったのだ。だから、多くの企業で「生産性のない無意味な残業は会社にとって悪!」という考え方が浸透しつつある。

 そんな中、一流を目指すビジネスマンとして、残業をどう捉えていくべきなのか、だ。

 答えは簡単。生産性の重視が一番であり、残業そのものが悪いことではないということ。

 ポイントは、前々からしっかり計画を立てて、その計画を基に段取りよく進める。そして、仕事の生産性や効率を高め結果を出すこと。

 新人たりとも、世の中はどんどん成果主義に変わりつつあることを肝に銘じるべきだろう。だから、「自分は新人で何もわからないので、成果もすぐには出せません」なんて言っている状況でなくなっている。逆に、「どうしたら、即戦力になれるのだろう。そのために何でもやっていこう!」という気概がないと、いつまで経っても成果も出せず、周りからの評価も上らない。

 これからの残業の考え方とは、次のようになる。

 しっかり無理のない計画を立て、効率よく仕事をして残業をしないことに全力を尽くす。万が一、締切や期日などが迫っていて、残業しなければ間に合わない場合、できるだけ関係者全員で協力・役割分担し、スピーディーに終わらせる。

 そのため、新人だろうとも、そのお手伝いを徹底すべきだ。つまり、いかにしたら会社や組織に役立つ存在になれるかを絶えず自問自答してほしい。

「皆大変そうだから、自分でも役立つことがあれば、今日は残って手伝おう!」