言葉づかいでその人の人間性がわかる。若いときに気をつけなければならないのは、とにかく我儘や傲慢にならないようにすること。つまり、「謙虚で素直に!」をモットーにすべきなのだ。

 若い頃は、理解力や吸収力が最もあるので、謙虚で素直にどんどん何事からも学べるし、学ぶ期間だ。人生の、また社会人としての基盤作りの時期だから。

 そのためには、周りの人や会う人に対して、徹底して謙虚で素直に対応すべきだろう。その心の表れが言葉づかいとなる。

 どんなに身だしなみや外見が優れていても、言葉づかいが悪ければ、相手のあなたの評価は最悪となる。

 私の好きな言葉に「言葉の前に心あり、言葉の後に行動あり」がある。素晴らしい言葉は素晴らしい心の結果であり、その素晴らしい言葉によって人の心を動かす行動が生まれる。要するに「心こそ大切なれ」だ。

 それでは、どうしたら、いい言葉づかいができるようになるのか、だ?

 私は、普段から心を豊かにする努力が鍵になると思う。心の乱れた人、心の汚い人は、どんなに敬語を使っても、その本心は誤魔化せない。猫を被ったとしても、時間の経過と共に言動の節々にその醜さが出てくる。そういう意味では、人間とはわかりやすい動物だ。

 だから、まず、本や新聞などを読み、映画鑑賞して、教養や感性を高める努力をするべきだろう。

 敬語のことは心配する必要はない。できる人の真似をしていれば、それなりにできるようになる。でも、心を豊かにすることは、真似はできない。普段から、いい知識・経験を深めることで、少しずつ積んでいかなければならない。

 私は新入社員時代から計20年アメリカにいたので、日本語の敬語や言葉づかいなどを教わったことは誰からも一度もない。でも、身に付いた。

 自分で色々な人から学び真似をした。それで十分だ。急ぐなら、敬語や言葉づかいの本を読んで、覚えればいい。しかし、何度も言うが、一番大事なことは、毎日謙虚で素直な姿勢で豊かな心を養うことだ。