上司E 「君はこのプロジェクトの担当じゃなかったか?」
私 「はい、そうですが、何か?」
上司E 「何かじゃないよ! それなら、指示を待っていないで、なんでもっとリーダーシップ発揮して、皆に君から指示を出さないんだ?」
私 「すみません。年齢も一番若いですし、経験も知識もないですので。指示を出せるほどまだまだ自信がなくて……。第一、私が指示を出したらミスや失敗ばかりになり、関係者の皆さんにご迷惑がかかると思います」
上司E 「それは違う! 年齢・経験・知識は関係ないよ。一度担当になったら、ミスや失敗は覚悟でどんどんリーダーシップを発揮してやらなければ、プロジェクトは進まないぞ」
私 「担当ではありませんが、私よりできる同期のA君が、今はリーダー的に動いてくれていますが。彼ではダメですか? 彼がリーダーをやる方が一番自然だと思いますが……」
上司E 「今更何言ってるんだ! そのために担当制があるんだ。確かにA君の方が、君より経験・知識はあるだろう。しかし、彼はこのプロジェクトの直接の担当者じゃない。君にリーダーとしての力をつけてもらいたいがために、わざわざ担当にしているんだから、遠慮せずにリーダーシップとってやってくれ。我々はこのプロジェクトを通して君に力をつけてもらいたいんだ。それでなくても君にはリーダーシップがなさ過ぎる。このままじゃあ、うちの会社にはいらない存在となるぞ! 若い今のうちにリーダーシップを身につけないでいつつけるんだ? 組織に属している以上、いつかは本物のリーダーにならなければならないからな。」
私 「どうしてですか?」
上司E 「だってそうだろう。毎年新人が入ってくるんだから、同じ組織にいれば、今新人である君達も、いやおうにもやがて上司や先輩になっていくんだから。上司や先輩なのにリーダーシップも発揮できないようだったら、部下や後輩からバカにされ追い越されるぞ」
将来部下や後輩に追い越される。その言葉は私に刺さった。それまで、リーダーになっ
たら、リーダーシップを発揮すればいいと思っていた。