上司D 「ネイト(私のニックネーム)! 何で最初から資料をお客様に配らないんだ。皆さん、ビジュアルに訴えるものがないから、口頭の説明だけでは、理解に苦しんでいたんだぞ」

「資料を先に配ると、皆さん資料に目が奪われて話を聞かなくなくなると思ったからです」

上司D 「君がプレゼンの最後に資料を配ったときの皆さんの反応に気づいたか?」

「はい、話したことをまとめた資料を貰って喜んでいた感じがしましたが……」

上司D 「違うよ、鈍感だなあ、君は……。近くに座っていたから独り言が聞こえたんだが、特に社長は怒っていたぞ。『なんだ、資料あったんなら、最初から出せばいいのに。コンサルタントなのに気配りなってないね、この若造は!』って」

「ええー、本当ですか?」

上司D 「当たり前だよ! 何でもっと相手のことを考えて言動してあげないんだ? あんな込み入った話を資料なしで説明されても、誰が理解できる? 専門家の私でさえ聞いていて、わかりにくいことだらけだったぞ。簡単なことだよ。君がプレゼンを受ける側の立場になれば、そんなこと一目瞭然だよ。こんなこと、気配りのできている人なら、新人でもできることだよ」

「すみませんでした。プレゼンを聞いてもらうことで必死で……」

上司D 「君はとにかく気配りができてないから、普段から気を使わないとダメだ。いざという大事なとき、その気配りのなさが出て、いっしょにいる人を嫌な気分にさせるから」

「わかりました。でも、どうしたら気配りができるようになるのでしょうか?」

上司D 「言っただろう。常に相手の立場で考えてあげることだ。相手が今何を望んでいるのかを一瞬一瞬考慮し、それをすぐに実行することだ。わからないときは、失礼にならないように相手に上手く聞くことだ。意識してそうやっているうちに、自然と無意識のうちに気配りができるようになる。すべては努力次第だ」

「一流の人は気配りが抜群である」

これは、上司Dの口癖だった。彼に一時期仕えさせて頂いたため、気配りのイロハを教わった。お陰様で、気配りの力はかなりつき、どんどん新規顧客が取れるようになった。