様々な会社を訪問すると、職場で人に甘えてばかりいる人をよく見かける。そういう人は自分に甘く、他人に厳しい。評論家タイプで、人の評価や批判ばかりしている。

言うまでもなく、そういう人はすぐにクビの対象となる。がん細胞ではないが、組織にとっていらいないどころか、腐敗させていく存在だからだ。

最近、私は講演や執筆でよく言い切る。

「職場は『道場』であり、『人生大学』だ!」と。

 それでは、職場が「道場」であるとして、その結果、何を目指さなければならないのかわかるだろうか?

本物の「プロ」を目指すべきなのだ。

 本物の「プロ」と言えば、新人だった頃、私が「プロ」の言動からほど遠かったことから、よく上司から叱られた。

 彼は、私の「プロ」意識のない軽率な言動を見ては、物凄く真剣に言う。

「依頼者の代わりに何かをするのに一セントでもお金を貰ったら、もう君はれっきとしてプロだ。ベテランだろうと新人だろうと、依頼者から見れば関係ない。頼んだことを、期待した以上にやってもらえればいいのだ。その人が、時間とノウハウと労力があれば、自分でやれるのに、わざわざお金を出してまで、君に代行してもらうよう依頼してきてくれているんだ。期待を裏切ったら、もう『プロ』とは言えなくなる。二度と頼んでこなくなるだろう」

では本物の「プロ」とは、具体的にいかなる人のことを言うのだろうか?

私はそれを勝手に定義した。次の16条件を満たしている人、又は目指している人であると断言してきた。

 

仕事に人生を賭けている

不可能を可能にするために限りなき努力をする

自分の仕事に誇りを持つと同時に謙虚

先や時代を読んで仕事をしようとする

時間より目標を達成させるために仕事をする

高い志・理念・目標にむかって邁進する

結果にすべての責任を持つ

成果によって報酬を得る

仕事において甘えがない

能力向上のために常に学び、努力し続ける

仕事を通して人間性・能力を高めていける

謙虚かつ貪欲に誰からでも学ぼうとする

仕事を通して周りの人に夢と感動を与える

仕事のために自己管理が徹底できる

尊敬できる人(メンター)を持ち、その人から徹底的に学んでいる

真剣に人材(後輩)育成している、または将来育成する決意がある

どうだろうか。

この全ての条件を満たした人はなかなかいない。しかし、私の上司がこのようなすごい

人であった。だから、非常に尊敬できるリーダーだったのだ。

 皆さんも、この条件を目指して頑張ってほしい。私も日々、弱き自分と格闘しながら、この条件を満たせるよう挑戦し続けている。

 この定義から沿って言うと、既に紹介したが、職場は「道場」であり、「人生大学」であることも理解頂けるだろう。

 正直言って、私は新人の頃、職場が「道場」であり、「人生大学」でもあることにまったく気付かなかった。

「仕事は専門能力を高めるツールであり、収入を得る手段。人生は人生」と割り切っていたのだろう。そんな表面的な理解しかしていなかったため、仕事もできるようにならないし、人間的にも全然成長できなかった。

 要するに甘えてばかりいたのだ。上司や先輩に従っているように見せて、実は、我儘と自分勝手な判断で、仕事をしていたからどうしようもない。

 そのいい加減な姿勢を見た上司は、私を徹底的に鍛えてくれた。

最初はなんで〈職場で上司からこんなにいじめられるのだろう?〉と理解に苦しんだ。しかし、それは、彼からすると、私が一日も早く人間として、社会人として、また、プロフェッショナルとして成長してもらうための「愛のムチ」だったのだろう。

 そのお陰で、ようやく体で覚えたのだった。職場が「道場」であり、「人生大学」でもあることを。

 だから、仕事を通じて弱き我儘な自分に挑戦し続け、人間的に大成長しなければならないことの大切さを学んだ。

 今、私が、こうやってプロの「国際経営コンサルタント」として独立し、仕事ができているのも、その上司に鍛えて頂いたお陰だと、心から感謝している。