人との出会いは、一生を左右するほど大きな力を持っています。私も多くの人と出会い、助けられてきました。

小学生の私を鍛えてくれた水泳のコーチ、勉強のできない私を励ましてくれた小学校・中学校・高校の先生、キャリアデザインのヒントをくれた国際経営コンサルタント。大学では、人情味あふれる指導教授と出会うことで、アメリカの経営大学院への入学を決意しました。こうした出会いがなかったら、今の私はなかったでしょう。

 悩み多かった高校時代、私はある講演会に出かけて、人生の師と思える人と出会いました。

若い時から苦難の連続で、血のにじむような努力を積み重ねてそれらを乗り越えてきたというその方は、人間的にとても大きな大きな器を持っていました。私は感動し、「腹をくくって、彼のように命懸けで頑張れば、私にも何かできるかもしれない」と思うようになりました。それまでの私には、できなかった信じられないような努力が、自然にできるようになったのです。


 ある時、私が尊敬するその方自身が、やはりメンターを持っていたことを知って、ビックリしました。そして、素晴らしい生き方や仕事の仕方は、メンターを通じて次の世代に伝えられていくものなのだということを悟りました。

その道の大家として何かを成し遂げた人は、必ずといっていいほどメンターを持っている理由も納得できたのでした。


 人からメンターと尊敬されるような人は、後輩や弟子がいつか自分を超えてくれるという期待を込めて、自分の持っているものすべてを伝授します。後輩や弟子に追い越されることをよしとする度量の大きさがあります。

 今は、あなた自身がメンターを見つけ、大切なことを学んでいく時期かもしれませんが、いつかは自分が学んだことを後輩にきちんと伝えてほしいと思います。それが仕事のプロの大切な役割であることを覚えておいて下さい。