今は仕事を大いに楽しんでいる私ですが、はじめのうちは辛くてたまりませんでした。念願かなって、世界的なコンサルティング会社のニューヨーク本社で働いているのに、仕事といえば雑用ばかり。電話番、コピー取り、掃除、先輩のカバン持ち……。肝心のコンサルティングの仕事に関わることはできませんでした。ついに我慢できなくなり、先輩に相談しました。彼は一流大学を出た超エリートなのですが、こんな答が返ってきました。 


「オレだって、一年近く雑用ばかりやっていたんだ。でも、どんな仕事だって本気でやれば楽しくなるし、力もつくよ。雑用はすべての仕事の基本だとういうことを忘れるな」 


 私は目が覚めました。謙虚に与えられた仕事に取り組もうと決めて、手を抜かずに雑用に精を出しました。自分なりに工夫するうちに雑用のプロになり、みんなが認めてくれるようになりました。そして、重要なポストを与えてもらうことができたのです。