「仕事に人生を賭ける」ために、何をすればいいのでしょう。手始めに、目の前にある仕事に全力で取り組むことだと思います。 

「三日、三月、三年」という言葉があります。これは新入社員が「会社を辞めたい」と思うサイクルだといわれています。会社や仕事に対して不満を感じたり、この仕事は自分に向かないのではないかと悩んだ結果、短期間で辞めてしまう人が少なくないようですが、ちょっと待ってください。その前に、仕事に全力で取り組んでみたのでしょうか。本気でやってみなければ、その仕事が自分に向いているのか、いないのか、わかりません。とにかく全力で三年間、今の仕事を頑張ってみるべきです。 

 私は、アメリカで現地の経営コンサルティング会社に就職しました。子供のころからお世辞にも勉強ができたとはいえず、英語もほとんどできなかった私が、その会社に就職できたのは幸運以外の何ものでもありませんでした。しかし、待っていたのは、わからないことだらけで四苦八苦の毎日です。それでも、ともかく自分なりに努力を積み重ね、10年間全力で頑張ったことが、今の自分の大きな支えになっています。 

「石の上にも三年」といいますが、アメリカ生活の間、不思議なことに、ちょうど三年ごとに昇進していきました。ポジションが上がれば、ノルマも、周囲の目も厳しくなります。それでも、目の前の仕事に全力で取り組むことが成果に結びつくことを知り、毎日が楽しくなりました。 

 何が何でも今の仕事にしがみつけとは言いませんが、最低でも三年は、与えられた仕事に全力で取り組んでみてほしいと思います。そのことが、自分自身を見つめるきっかけになり、人生を賭けるに価する道の発見につながるはずです。