「場の空気を読めない人は、どんなに頭が良くても、いくら他のことができても、できない人と判断される」
頭がいいから、また優秀だから、できる人と見られると思っていたら大間違いです。
その人の「できる度」を判断する基準の最も多く使われる一つを挙げるとしたら、「場の空気が読める度」と言わざるを得ないのではないでしょうか。
会議や人と話しをしていて、場の空気から判断して、言うべきこと、やるべきこと、更に言ってはいけないこと、やってはいけないことが読めない人を見ると、「頭使え!」とか「黙れ!」、そして遂には「出て行け!」って叫びたくなることありませんか?
私は頻繁にあります。
その人は、自分がどれだけ場をしらけさせたり、会議の進行を邪魔しているのかわからないのです。ただ、そもそもわからないから、平気でそうしているのですが。
特に忙しい顧客や役員を何人も集めて、会議したり話し合ったりしている時に、議題からそれるような発言をしたり、ポイントが外れた話を延々とする人がいたら、私は途中から黙ってもらうか、退席してもらうようにしています。
でなければ、忙しい方々の大切な時間を奪ってしまうことになるからです。そのような発言は、とても失礼なことをしているのです。
お金は取っても後で返せますが、時間というものは、一度奪ってしまったら、二度とその時のその時間は返せません。
まさに、ビジネスにおいて、時間ぐらい大切なものも少ないでしょう。
多くの忙しい方々にとっては、「タイム・イズ・マネー」ではなく、「時間はお金よりも大切なもの」ではないでしょうか。
新人の頃、そんなこともわからず、私は、会議や話し合いで、偉い方々の「時間泥棒」ばかりしていました。
そんなことで、遂には会議に呼ばれなくなったのです。選手交代で、他の新人が呼ばれて、会議の議事録を書かされていました。本当は、私の仕事だったはずなのに。
この時はさすがに落ち込みました。
自分では出る会議や話し合いはすべて全力を尽くしたつもりだったので、なおさらです。
最初は、私が嫌われているのではないかと思いました。
それで、性格、癖、そして話し方のチェックを徹底的にしてみたのですが、心当たりがないのです。
遂に先輩に勇気を出して聞いたのです。
そうしたら、一言。
「君は、場の空気が読めなさ過ぎるからだよ! いっしょに会議や話し合いしていると、場がしらけるだけでなく、イライラさせる。『もう二度と同席なんかさせるもんか!』と、頭にもくる。もっともっと、マナーを身につけ、大人になれよ!」
私は、ハンマーで頭を叩かれた思いがしました。
と言うのは、自分ぐらい準備と気配りをして会議や話し合いに臨んでいる人は会社でもそういないとの自負があったからです。それが評価はまったく逆で、ダメ人間の烙印を押されてしまっていたのです。悲しすぎて涙も出ませんでした。
確かに私は昔から鈍感な人間ではありました。だからこそ、気をつけてきたのです。
ことビジネスにおいては、仕事ができない分、気配りは徹底してやっていたつもりでした。
その一番自信がある分野で、ダメだと判断されてしまいました。
「もう、止めよう。僕には所詮無理だ」と、真剣に転職を考えました。
かなり自信喪失してしまいました。
考えに考え、悩みに悩んでも、結論が出ませんでした。それで、最後にメンターに相談してみました。そうしたら、目から鱗となる言葉を頂いたのです。
「要するに、君は、絶えず相手の立場に立って言動していないから、会議や話し合いでも、場の空気が読めないのだよ。人間社会で生きていく上で、最も大切な能力の一つは、言葉だけでなく、その場その場の空気を読んで、言動していくことなんだ。だから、これからは、自分の立場ではなく、話している相手の立場や気持ちをよくよく考えた上で、発言してごらん。相手に感謝されたり、喜ばれるようなことが言えるようになるから」
「なるほど、僕は単に理論的なことばかり考えていました。だから、自分の立場からだけ考えて発言していたら、相手にとって、失礼なこと、意味のないことなどを言っていたのですね。今日からは、まず、相手の気持ちや立場に立って、考え発言するようにします!」
この事件のお陰で、私は何か言動する前に、まず自分が本当に相手の立場を理解しているのかどうかを、徹底的に確認するようにしてました。
その成果があっては、その会社を退職する時には、「場の空気を読む達人」という異名を頂けるようになりました。